2018 Fiscal Year Research-status Report
様々な情報源から得られるヘテロデータのマルチモーダル学習による地震被害分布の推定
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18K13966
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮本 崇 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30637989)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地震被害検知 / 衛星リモートセンシング / 機械学習 / 深層学習 / 異常検知 / 不均衡データ |
Outline of Annual Research Achievements |
人工衛星から得られる大地震直後の地表画像に対して機械学習モデルを適用することにより,画像から倒壊住宅を個別に判別する技術を開発した.大きく,(1)衛星画像と地理空間情報の統合処理による住宅画像の抽出,および(2)畳み込みニューラルネットワークを用いた住宅画像の被害判別,という2つの項目の研究開発を行った. (1)においては,GISから住宅構造物の形状を抽出するアルゴリズムを実装し,衛星画像に付与された位置座標と統合処理することによって,個々の住宅構造物の撮影画像の検出を行った.熊本県益城町におけるデータを用いて上記の処理を適用し,100%の精度で住宅個々の画像を抽出できることを確認した. (2)においては,震災前後の2時期の衛星撮影画像を入力とする深層学習モデルの開発,および非倒壊構造物画像と倒壊構造物画像のデータ数が均一でない不均衡な学習データに対する適切な分類器の検討を行い,これらを組み合わせた被害検知モデルを開発することによって,従来の研究と比較しても高い検知精度を達成することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終的な目標である「多様な情報源からの被害検知」の達成に向けて,重要な情報源の一つである衛星リモートセンシングからの取得データを,機械学習技術によって分析する技術を開発した.開発技術は当初に想定していたものであり,計画に沿って順調に開発できたと考えている.また,この技術開発を通して,災害被害の検知において,平常時のデータに比べて災害時のデータが少ないというデータの不均衡性の問題が本質的な課題の一つであることが明らかになったことは,学術・社会応用の両面において重要な成果だったと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
衛星リモートセンシングからの取得データを利用した地震被害検知においては,データの性質を活用した適切な機械学習モデルを開発することができた.一方で,衛星データのみを利用することの情報量の限界も見られたことから,今後は当初の計画通り,ここに地盤構造や構造物属性などの情報源を加えることにより,より高い被害検知精度の達成を目指す.
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Causes of Carryover |
予定した海外出張1件を別予算で賄うことが出来たため,本年度の出張に使用することとした.
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