2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on Enhancing Comprehensive Community-based Disaster Management Capacity with Focus on Marginal Participants
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18K13972
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
豊田 祐輔 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (00706616)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コミュニティ・レジリエンス / 防災訓練 / 参加意図 / 周辺参加 / 防災ゲーム / ゲーミング・シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、地域防災企画の評価項目である「包括的地域防災力」の構成を示すための英語文献レビューを行うとともに、新型コロナ・ウイルスの感染拡大にともない、これまでの知見を反映させた防災イベントの実施とその評価研究が叶わなかったため、代替研究となるアンケート調査を実施した。 まずレビューについては、「包括的地域防災力」の中でも重要な概念であるコミュニティ・レジリエンスについて、「Web of Science Core Collection」に収録された文献の中からコミュニティ・レジリエンスに関わる論文等2432本の文献を抽出し、コミュニティ・レジリエンスの学術的議論の傾向ならびに今後の課題を提示した。まず抽出された論文等の多くは2010年以降に出版された新しい文献であることが示された。この中で、主に書誌結合関係により示された1000本の文献のうち、影響力(引用ウェイトの点数)に基づいてレビューを行なった結果、6つの側面から議論が進んでいることを示した。一方、現状評価は各側面を加算することが多く、①各側面固有のレジリエンスなどの関連性について議論の欠如、②公平な(equitable)レジリエンスの重要性、そして③政治経済的概念(新自由主義など)の影響の考慮の必要性などを提起した。 そして、アンケート調査については、地域防災企画の中でも特に防災イベントを通じて向上するべき地域防災力を明らかにするため、地域防災訓練への参加実績や、地域防災企画への参加意図、「包括的地域防災力」の評価に関わる質問を含めて実施した。本調査は研究代表者が所属している立命館大学歴史都市防災研究所が受けた業務委託「豊岡市出石伝統的建造物群保存地区防災計画策定調査分析」を活用して世帯対象に行なった。現在は分析を進めており、結果は次年度に公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の問いは、「周辺参加住民」を巻き込んで地域防災力を向上させるにはどうするべきかである。そして、その小疑問1である「周辺参加住民」を「防災イベント」にどのように巻き込んでいくかについては、昨年度までにおおむね完了している。一方、小疑問2の「周辺参加住民」を含めた地域防災力をどのように向上させるかについては、新型コロナ・ウイルスの感染拡大にともなう地域防災活動の中止が相次いだため、実施することができず研究期間を1年間延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまだ積み残している以下の研究課題に取り組む。まずは、すでに参加意図に心理的要因がどのように関係しているかを示したが、住民関係などのネットワーク規定因による参加促進や阻害については明らかにできていない。今後も新型コロナウイルスの感染拡大による影響があり地域防災活動が実施できない可能性があるため、活動を実施できれば実際の参加者や不参加者へのアンケート調査を行い、実施できない場合は行動を把握することはできないがウェブ調査や住民へのヒアリング調査などを駆使して研究を進めることで、周辺参加住民を巻き込むために必要な要件を同定する。 さらに、すでに実施した出石でのアンケート調査結果を基礎として、地域防災企画の中でも特に防災イベントを通じて向上するべき地域防災力を明らかにし、具体的な防災イベント内容の構成を検討し、実施可能であれば、実施ならびに評価を行う。さらに、向上できない項目があることが想定される一方、特に災害時情報共有システムや避難支援機材など本業の製品を工夫して防災に活かしている企業が増えている。そこで、技術発展が著しいIT分野など民間企業による「包括的地域防災力」の補完方策を提言することで、「周辺参加住民」を含めた「包括的地域防災力」を向上させるための方策を明らかにする。 以上より、長期的な社会関係資本の醸成等による「中心参加住民」拡大を見据えつつも、いつ発生するかわからない災害に備えて、短期的に現状の社会関係資本を所与とした「包括的地域防災力」を高める方策を提言する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ・ウイルス感染拡大にともない実証研究を実施することができなかったため、次年度に実施する。
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Research Products
(5 results)