2018 Fiscal Year Research-status Report
原子層物質を用いた高スピン偏極面直電流磁気抵抗素子の研究
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18K13985
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
李 松田 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 博士研究員(任常) (90805649)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 磁気抵抗素子 / グラフェン / 原子層物質 / ホイスラー合金 / ハーフメタル / 高スピン偏極材料 / スピンエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代超高密度ハードディスク(HDD)の実現には、高い磁気抵比と適切な面積抵抗を兼ね備えた革新的特性の面直電流型磁気抵抗(CPP-MR)素子の開発が欠かせない。同要請に対して本研究はCPP-MR素子のスペーサー層の新材料として、現在の酸化物や金属材料に代えて、二次元物質のグラフェンおよび六方晶窒化ホウ素(h-BN)を用いること提案する。H30年度までの研究で、本研究提案に先駆けてホイスラー合金上へのグラフェンの超高真空化学気相成長(UHV-CVD)の実験に取り組んだ。その結果、ホイスラー合金薄膜の表面に単層グラフェンを100%の被覆率で成長する技術を確立した。グラフェンを成長する際の実験条件(原料ガスの種類や分圧等)を最適化することで、グラフェンの品質を大幅に向上することに成功した。さらに、放射光を用いた深さ分解X線磁気円二色性(XMCD)分光によりグラフェン/CFGG界面の電子・磁気的状態を調べた結果、同界面では、スピン散乱の抑制に効果的なグラフェンのバンド構造が保たれていることや、磁気抵抗の発現に必要な磁性が界面近傍まで保たれていることは明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフェンとホイスラー合金を組み合わせることで、これまでにない高い特性を示すCPP-MR素子が実現できる可能性を示唆する結果であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究はホイスラー合金薄膜上に高品質なグラフェンを100%の被覆率で成長する技術を確立することに成功した。同技術を応用することで、ホイスラー合金上への六方晶窒化ホウ素やグラフェン-六方晶窒化ホウ素混晶体の成長も可能と考えられる。今後は、ホイスラー合金上への六方晶窒化ホウ素やグラフェン-六方晶窒化ホウ素混晶体成長技術を確立し、混晶体をスぺーサー層に用いた-CPP-MR素子の作製および磁気抵抗特性の評価を行う。
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Causes of Carryover |
数千円の旅費精算の残額は次年度の旅費として使う。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Electronic and magnetic properties of graphene/Co2Fe(Ge0.5Ga0.5) Heusler alloy heterostructure2019
Author(s)
Songtian Li, Konstantin V. Larionov, Zakhar I. Popv, Yoichi Yamada, Kenta Amemiya, Shiro Entani, Yuya Sakuraba, Hiroshi Naramto, Pavel B. Sorokin, and Seiji Sakai
Organizer
The 66th JSAP Spring Meeting, 2019
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[Presentation] Preparation and characterization of a novel heterostructure of graphene/Co2Fe(Ge0.5Ga0.5)for high-performance spintronic device application2018
Author(s)
S. Li, K. Larionov, T. Watanabe, S. Entani, Y. Yamada, P. B. Sorokin, P. V. Avramov, Y.Sakuraba, K. Amemiya, H. Naramoto, and S. Sakai
Organizer
2018 NIMS Academic Symposium
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