2018 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging of Ferroelectric Domains in Multiferroic Materials with Scanning Electron Microscopy
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18K13994
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤嶺 大志 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (40804737)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 走査電子顕微鏡 / マルチフェロイック / 強誘電ドメイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、マルチフェロイック材料の強誘電ドメイン構造を走査電子顕微鏡(SEM)を用いて可視化することを目的とし、複数のマルチフェロイック材料について種々の観察条件下にてSEM観察および導電性原子間力顕微鏡(cAFM)観察を実施した。これにより以下の成果を得た。 第一に、六方晶型のマンガン酸化物HoMnO3についてSEM観察およびcAFMを実施し、加速電圧などの適切な観察条件設定によって強誘電ドメインおよび帯電ドメイン壁(charged domain wall)と呼ばれる一部のドメイン壁を明瞭に可視化できることを明らかにした。特に、帯電ドメイン壁の観察は過去に報告例がなく、新規性の高い結果と言える。SEMコントラストと帯電ドメイン壁との対応は特に重要であるため、SEM観察視野と同一箇所をcAFM測定し、局所導電性評価を行うことで直接的に明らかにした。 第二に、正方晶型の酸化物(Ca,Sr)3Ti2O7についてSEM観察を実施した。その結果、HoMnO3の場合とは異なる観察条件下で強誘電ドメインコントラストが得られることが明らかとなった。また、種々の観察条件下での観察を実施することにより、結晶方位差に由来する電子チャネリングコントラストと強誘電ドメインコントラストの区別が可能であることを明らかにした。これらの結果は、マルチフェロイック材料で観察される強誘電ドメインコントラストは材料ごとに観察要件が異なることを示しており、SEM強誘電ドメインコントラストの材料物性との相関が指摘される。 以上のように、本研究課題を通してSEMによるマルチフェロイック材料のドメイン観察の道を拓く基礎を築くことができた。これらを基に更なる広範な材料への適用が期待される。
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Research Products
(3 results)