2019 Fiscal Year Research-status Report
Creation and high functionalization of La doped SrTiO3/conductive nitrides nano composites
Project/Area Number |
18K14004
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 厚介 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (40617007)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノ複合体 / 導電性窒化物 / 酸化物 / フォノン散乱 / 熱電変換材料 / コアシェル構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、導電性窒化物マトリックス中にSrTiO3(STO)系ナノ粒子を分散させたナノ複合体(ナノコンポジット)を創製し、熱電性能に最適な複合構造を見出すことを目的としている。2019年度は上記ナノコンポジットの合成スケールアップを実施した。 1回の合成にて熱電特性が評価できる量(約3g以上)を得るために、STOナノ粒子上にTiO2を均一に被覆するためのスケールアップを行った。まず、従来の被覆方法にて10倍スケールアップ後、得られたSTO/TiO2コアシェルナノ粒子は、STOナノ粒子の凝集が生じ、TiO2被覆も不均一であった。そのため、被覆処理時にアンモニア水を触媒として添加、さらにはその添加量を詳細に振ることよって、凝集を抑制しながらTiO2シェルの均一被覆(膜厚10 nm以下)が可能となった。また、この10倍スケールアップにより、STO/TiO2コアシェルナノ粒子は1回の被覆処理にて4g程度得られた。また、このナノ粒子を窒化処理および焼結することにより、STO/TiNナノコンポジット(TiNの体積分率52%)が得られ、従来法で合成したナノコンポジットと比べて導電率はほぼ変わらずに熱伝導率が低減でき、昨年度報告したナノコンポジット中のSTOナノ粒子の分散度合いが向上していることが示唆された。 一方、STOナノ粒子のサイズを低減するため、STOおよびLaドープSTOナノ粒子を水熱合成法により合成し、粒径10 nm程度のナノ粒子を得ることが可能となった。これについても従来0.1g程度しか得られなかったが、スケールアップを実施し0.5g程度が得られるようになった。2020年度は水熱合成法にて合成したSTOおよびLaドープSTOナノ粒子を用いてナノコンポジットを作製し、熱電性能に最適な複合バルクナノコンポジットを合成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TiO2被覆のスケールアップ検討にアンモニア触媒を導入したことにより反応系の変更が生じ、TiO2の均一被覆に時間を要した。また、スケールアップ後のナノ粒子の回収方法の確立にも新たに遠心分離機用のローターを購入する必要が生じ、回収条件の検討にも時間を要した。一方で、得られたナノコンポジットの熱電特性は従来法よりも目的とする組織となっていたため、2020年度では熱電性能に最適なナノ複合体を得る。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は水熱合成法により合成したLaドープSrTiO3ナノ粒子(粒径10 nm程度)へ変更することにより焼結体中のナノ構造をさらに微細にし、熱・電気輸送特性を詳細に検討することで熱電性能に最適な複合構造を見出す。
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Causes of Carryover |
計画は確実に進行しているものの、研究計画内でのスケールアップ条件探索に想定以上に時間を要したことによる遅延が主な原因である。そのため、2020年度は複合構造最適化のための消耗品の購入、分析費、旅費(実験、学会発表)と論文投稿費に使用する。
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Research Products
(12 results)