2018 Fiscal Year Research-status Report
加熱処理法を利用した高強度グリーンコンポジットの創製
Project/Area Number |
18K14008
|
Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
加藤木 秀章 実践女子大学, 生活科学部, 講師 (00625296)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 天然繊維 / 加熱処理 / グリーンコンポジット / セルロース |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,再資源可能なグリーンコンポジット(強化材:天然繊維,母材:生分解性樹脂)製小型電気自動車のコンセプトカーが発表されており,更なる用途拡大には高強度を有するグリーンコンポジットの創製が必要となる.天然繊維の主な構成材料には,高強度および高剛性を有するセルロースミクロフィブリルがある.その天然繊維を利用した高強度グリーンコンポジットの創製を目的として,本年度は天然繊維特有の構造を有するジュート単繊維に加熱処理を行った.加熱処理により天然繊維特有の構造である細胞間層および一次壁を除去した場合では,繊維の母材の役割であるヘミセルロースやリグニンが少なくなる可能性がある.また,ジュート単繊維の細胞間層および一次壁の熱分解中では,セルロースミクロフィブリルの割合を増加させ,繊維細胞も抽出できる可能性もある.しかしながら,ジュート単繊維の主な構成材料の熱分解温度は異なるため,リグニンやヘミセルロースを多く含む細胞間層および一次壁が熱分解する最適な加熱処理条件を把握しなければならない.そのため,ジュート単繊維の主な構成材料の熱分解温度付近での加熱処理を行った.ジュート単繊維表面の加熱処理した結果では,繊維表面に変色がみられたため,加熱処理後のジュート単繊維の炭化の有無について確認した.また,走査電子顕微鏡で加熱処理後のジュート繊維の表面観察を行った結果では,ジュート単繊維表面にき裂の発生も確認できた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究においては,加熱処理後にジュート単繊維表面にき裂発生がみられ,ジュート単繊維の強度評価や繊維細胞の抽出が難しかったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
加熱処理後のジュート単繊維の特性評価を引き続き実施し,他の天然繊維の加熱処理および特性評価も行い,それらの天然繊維の特性評価と加熱処理した天然繊維を用いて高強度グリーンコンポジットの創製および強度評価を行う.
|
Causes of Carryover |
2018年度に引き続き,ジュート単繊維や他の天然繊維の加熱処理および特性評価を行うため,走査電子顕微鏡観察や加熱処理で必要な消耗品として次年度に計上する.
|