2018 Fiscal Year Research-status Report
種子結晶加工を利用した擬似位相整合結晶の作製と波長変換デバイスへの展開
Project/Area Number |
18K14023
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 健作 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40634564)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 疑似位相整合 / 周期双晶 / 融液成長 / 固液界面 / 不純物偏析 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザー加工や微細構造の光学的な検査における精度向上には、レーザー光源の短波長化や出力安定性が求められている。窒化物半導体を用いたLEDやレーザー光源に関する研究は活発であるが、深紫外領域(波長200nm以上)までに限られる。本研究では、固体レーザーを、赤外領域から真空紫外領域(波長200nm以下)まで任意の波長に波長変換できる擬似位相整合結晶の作製を目的とした。 具体的には「①双晶粒界形成メカニズムの解明」、「②周期双晶の作製」、「③周期双晶の波長変換特性評価」の3つの項目に取り組む。本年度は「①双晶粒界形成メカニズムの解明」、「②周期双晶の作製」に取り組んだ。 「①双晶粒界形成メカニズムの解明」では、双晶を持つ種子結晶を用いて結晶成長させ、成長した結晶中に形成される双晶界面を調査した。結晶成長界面を凹状にすることで結晶成長方位を連続的に変化させながら結晶成長させることができる。また、結晶の位置を操作することで、双晶界面形成時の結晶成長方位を意図的に制御することも可能である。多くの場合、双晶界面はエネルギーが低い低指数面になる。しかし、凹状の成長界面では幾何学的に低指数面となることができず、他の面方位の双晶界面となることが分かった。 「②周期双晶の作製」では、本年度は新しい実験装置の導入に取り組んだ。本研究で対象とする周期双晶の作製には、結晶成長初期の種子付け時に精密な固液界面の制御が必要である。原料と結晶が別々に移動できる機構と、独自に考案した白金ヒーターを用いた結晶成長装置を立ち上げた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2ヶ年計画であり、本年度は当初計画どおり、「①双晶粒界形成メカニズムの解明」と「②周期双晶の作製」の新規装置導入に取り組み、各項目で新たな成果や知見が得られており、当初計画どおりの進捗である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の後半である平成31年度は、当初計画の通り、「②周期双晶の作製」と「③周期双晶の波長変換特性評価」に取り組む。
|
Causes of Carryover |
申請時には誘導加熱方式の結晶成長機構の導入を計画していたが、シンプルでコンパクトな成長機構とするために抵抗加熱方式に変更した。抵抗加熱の電源の方が低価格なので繰越金が生じたが、次年度計画の白金ヒーターを当初計画以上に購入する必要があり本繰越金を充てる。
|