2020 Fiscal Year Annual Research Report
simultaneous control of shape and microstructure to achieve the high-value-added manufacturing of magnesium alloy products
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18K14025
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小貫 祐介 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 産学官連携助教 (50746998)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マグネシム合金 / 塑性加工 / 集合組織 / 動的再結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は①これまで行った変形中その場中性子回折実験と微細組織観察のデータ整理と②集合組織形成シミュレーション、および③曲げ変形への展開を行った。 ①②から、高温での変形における非常に大きな伸びは、いわゆる粒界すべりによる超塑性現象ではなく、動的再結晶を伴うすべり変形によるものであることを立証した。室温近傍での変形で形成された集合組織は②の計算によってよく再現することが出来た。その変形メカニズムはすべり変形であり、柱面すべりが重要な役割を果たしていることが確認された。その一方で、高温で観察される変形に伴う集合組織の弱化は、どのようなすべり系の組み合わせによっても得ることが出来なかった。動的再結晶により生じた微細粒と変形を受けた粗大粒の混粒組織について、粒径で閾値を設定して微細粒と粗大粒でそれぞれ集合組織を解析したところ、微細粒は非常に弱い集合組織をもち、粗大粒は室温変形と同様の変形集合組織を示すことが分かった。このことから、より高温での変形で集合組織が発達しにくくなるのは、動的再結晶粒の生成によるものであると結論した。 曲げ変形においては、内側と外側で全く異なる組織が発達することが確認できた。治具を加熱して曲げ変形を行うことで、厚さ1 mmの板に対して曲率半径1 mmという、マグネシウム合金としてはかなり過酷な変形を達成することが出来た。加熱が組織形成に与える影響は曲げ部内側では顕著ではないが、外側では引張試験のときと同様の変形集合組織が形成される傾向が見て取れた。これは加熱によりすべり系の活動抵抗が下がったことも一因と思われるが、幅方向への垂直ひずみの拘束がやや緩和され、変形モード自体に変化があったとも考えられる。
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Research Products
(3 results)