2020 Fiscal Year Annual Research Report
Phase separation microscopic structures of ionic liquid+ionic liquid mixtures
Project/Area Number |
18K14039
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
下村 拓也 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (90639478)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イオン液体+イオン液体混合物 / 相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
共通アニオンとしてbis(trifluoromethanesulfonyl)amide ([TFSA]-)を有するイオン液体+イオン液体混合物の相分離温度におよぼすカチオン構造の効果を明らかにした。片方のイオン液体のカチオンをtrihexyltetradecylphosphonium ([P66614]+)に固定し、もう片方のイオン液体のカチオンには、鎖長の異なるアルキル鎖を有するイミダゾリウム、ピペリジニウム、ピリジニウムおよびピロリジニウムを用いた。調製した混合物はいずれも冷却によって相分離を起こした。イオン液体+イオン液体混合物の相分離温度は、イミダゾリウム、ピペリジニウム、ピリジニウムおよびピロリジニウムのアルキル鎖長増加にともない低下した。また、ピリジニウム系>イミダゾリウム系>ピロリジニウム系>ピペリジニウム系の順に相分離温度が高くなることが明らかになった。 次に、イミダゾリウム系イオン液体+ホスホニウム系イオン液体の相分離挙動にアルキル鎖がどのような影響を与えているかをさらに詳しく解明するために、様々な置換基をアルキル鎖に導入したイミダゾリウム系イオン液体とホスホニウム系イオン液体との混合溶液を調製し、混合物の相分離挙動を観測した。アルキル鎖に親水性の高い-OH基を導入した場合、混合物の相分離温度が非常に高くなった。一方アルキル鎖にベンゼン環を導入した場合、大きな相分離温度の変化は観測されなかった。 以上の結果から、イオン液体+イオン液体混合物の相分離挙動には、混合するイオン液体のカチオンの親水性が大きな影響を与えていることが示唆された。
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