2018 Fiscal Year Research-status Report
Design of supercritical fluid deposition processes on the basis of physical properties in the bulk and nano spaces for preparing supported metal catalysts
Project/Area Number |
18K14045
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宇敷 育男 広島大学, 工学研究科, 助教 (30734850)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 超臨界CO2 / 含浸 / PC-SAFT / 触媒 / 金属前駆体 / 溶解度 / 摂動論 / 担持 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては,本研究課題で目的としている超臨界含浸法による金属担持触媒創製プロセスの設計へ向け,超臨界二酸化炭素(CO2)中における金属前駆体のバルク空間における平衡物性,具体的には金属前駆体溶解度の定量的把握とモデリングについて検討した.本研究では超臨界CO2中における金属前駆体溶解度のモデリングにおいて,摂動論に基づく熱力学的状態式であるPC-SAFT (Perturbed-Chain Statistical Associating Fluid Theory)式に着目した.まず金属前駆体のPC-SAFT純成分パラメーターを求めるため,各種有機溶媒(アセトン,トルエン,酢酸エチル等)に対するCr(acac)3(Chromium(III) acetylacetonate)及びCu(acac)2(Copper(II) acetylacetonate )の溶解度を測定した.続いて金属前駆体のPC-SAFT純成分パラメーターをフィッティングパラメーターとして,測定した有機溶媒中における金属前駆体溶解度を相関した.最後に,獲得した金属前駆体のPC-SAFT純成分パラメーターを用いて超臨界CO2中におけるCr(acac)3及びCu(acac)2の溶解度の推算を試みた.その結果,Lorentz-Berthelot結合則におけるCO2-金属前駆体間の異種分子間相互作用パラメーターkijを0としても,温度313~343 K,圧力15~25 MPaの条件下において,PC-SAFT式により超臨界CO2中におけるCr(acac)3及びCu(acac)2の溶解度データを平均相対偏差25%以下で良好に推算可能であった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,超臨界CO2中における金属前駆体溶解度(バルク空間物性)の定量的把握とモデリングを数種の金属前駆体について達成できたため,本研究課題は概ね順調に進展していると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度においては,前年度に引き続き超臨界CO2中における金属前駆体溶解度(バルク空間物性)の定量的把握とモデリングについて,金属前駆体の種類を増やして行う予定である.超臨界CO2中における金属前駆体のナノ空間物性については,研究代表者らがこれまで報告してきたメソポーラスシリカに対する金属前駆体の吸着平衡データを用いながら解析・モデリングを実施する予定である.
|
Causes of Carryover |
平成30年度においては当初の計画よりも物品及びその他の使用金額が小さくなったため差が生じた.次年度においては差額を高圧バルブ等の物品費に充てる予定である.
|
Research Products
(6 results)