2018 Fiscal Year Research-status Report
階層的細孔構造の制御による高性能な炭素電極触媒の開発
Project/Area Number |
18K14047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朱 春宇 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (30749255)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 電極触媒 / 炭素 / 多孔質 / 酸素還元反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
白金等の貴金属に代わる安価で資源豊富な炭素材料(非金属元素N,Sや遷移金属Fe,Co等を含むカーボンアロイ)が、金属空気電池や燃料電池用の新規な電極触媒材料として、高い酸素還元特性を持つため注目されている。階層的多孔質炭素はその特有な構造から、最も有望である。本研究の目的はバイオマスセルロースを原料とし、新規な合成プロセスにより階層的多孔質炭素電極触媒を創製することである。 具体的には、金属硝酸塩・有機燃料(尿素等)からなる液体燃焼合成(SCS)の水溶液原料をセルロース繊維に浸み込ませて、乾燥し、脱酸素雰囲気下で加熱すると、硝酸塩(酸化剤)と有機燃料(還元剤)の間で急激な自己発熱反応が生じる。反応時に瞬時的に大量のガス・熱が発生し、セルロース繊維束を剥離・分解され、セルロース由来の炭素母材に数十nmから数百nmのメソ・マクロ孔を形成される。同時に、硝酸塩由来の金属酸化物を鋳型として炭素に均一的に分散し、高温下で熱処理して、酸洗浄で鋳型を除去することによって、数Aから十数nmのミクロ・メソ孔を形成される。よって、ミクロ・メソ・マクロ細孔を併せて持つ階層的多孔質炭素を合成できる。 今年は、SCS用の硝酸塩と有機燃料を調査し、硝酸マグネシウムと尿素を選定した。硝酸マグネシウム・尿素の添加割合、焼成温度等の実験条件を調査し、階層的多孔質炭素の合成に最適な条件を決定した。得られた炭素は窒素がドーピングされてあり、アルカリ溶液中にて市販の白金電極と近い酸素還元触媒活性を示した。XRD,SEM,TEM,BET,XPS等の分析により、炭素材料の触媒活性と炭素の細孔構造、比表面積、異元素等特性との関係を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の通り、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)現時点で作製した多孔質炭素はその比表面積は1200m2/g程度であり、今後は2000m2/gの比表面積を有する炭素を合成する。 2)さらなる電極触媒活性を向上するため、Fe等遷移金属のドーピングを行う予定である。
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