2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of heterogeneous catalysts for synthetic applications of renewable carbon resources
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18K14051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳥屋尾 隆 北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (80775388)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不均一系触媒 / カルボン酸誘導体 / CO2 / 水素化 / 触媒インフォマティクス / オペランド分光 / 反応場 / 非化石炭素資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然に豊富に存在する非化石炭素資源(CO2、バイオマス)と安価な軽分子(H2、NH3等)との反応により高付加価値な化学品の合成を可能にする固体触媒を開発した。具体的には、下記3種の反応系における、反応開発、触媒開発、メカニズム解析を試みた。 (1)CO2/H2からのメタノール合成 (2)カルボン酸水素化によるアルコール合成 (3)トリグリセリド、H2、NH3からのアミン合成 反応系(1)については、150℃以下の低温でのメタノール合成に着目し、TiO2にReを担持した触媒(Re(1)/TiO2; Re = 1wt.%)とTiO2担持MoOx担体にPtを担持した触媒(Pt(3)/MoOx(30)/TiO2; Pt: 3 wt%, Mo: 30 wt.%)の2種類の触媒系を開発した。本反応は平衡制約の観点から反応温度の低温化が望まれており、工業的価値が高い。反応系(2)および(3)についても、それぞれ有効な触媒系を開発し、成果を論文にて報告した。また、計算科学的なアプローチも利用して、触媒性能・機能(基質活性化能)と構造(幾何・電子構造)の相関関係をより明確化した。 新規触媒開発に資する理論化学データの蓄積、データ科学を用いた新しい触媒研究方法の提案にも着手した。具体的には、合金表面上の基質の(解離)吸着エネルギーをDFT計算により算出し、さらにそのデータ群をシンプルな機械学習モデルで予測することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた反応系の内、上記3つの系に関して触媒系を開発し、論文報告に至った。その他の反応系は難易度が高いが、すでに予備実験を進めており、反応の進行は確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記(1)-(3)反応についても研究を継続し、各触媒の構造や電子状態をさらに詳細に調査し、活性・選択性との相関から性能制御因子を決定する。集積された実験データ、計算科学による知見を統合して本触媒分野の理論を体系化する。開発した新規触媒を単なる1成功例に終わらせることなく、その高性能要因を抽出し一般化することで、さらなる高活性触媒開発の礎とする。その際、機械学習(Machine-learning)等の情報科学分野の手法も利用することで網羅性を上げ、研究の効率化を図る。 予備実験を進めている新反応系ついても検討を進め、目的物収率80%を達成する。その際、(1)-(3)反応の実施により得られた知見を有効に活用し、研究の効率化を図る。
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Research Products
(13 results)