2018 Fiscal Year Research-status Report
Efficient production of plant secondary metabolites through global metabolic engineering in yeast
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18K14069
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山田 亮祐 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40608626)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酵母 / 発酵 / 代謝工学 / 植物二次代謝産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等植物などが生産する高付加価値な二次代謝産物を、酵母により安価に生産する技術の確立が期待されている。研究代表者は既往の研究で、10段階以上もの複雑な代謝経路を簡便に最適化できる独自技術であるグローバル代謝工学を開発した。本研究では、独自の遺伝子発現量最適化技術を駆使し、植物二次代謝産物を高効率に生産することを目指す。 今年度は、ランダム多コピー遺伝子組込み技術における組込みコピー数を増加させる技術の開発を行った。グローバル代謝工学において利用する現状のランダム多コピー遺伝子組込み技術では、一度の形質転換で10コピー程度の遺伝子しか組込むことが出来ない。この組込みコピー数を増加させることができれば、より広範囲の代謝経路を最適化可能になると期待できる。近年、酵母を含む生物のゲノムDNA上の任意の配列を切断できるCRISPR-Cas9が開発され、本技術により切断したゲノムDNA領域へ遺伝子を組込めば、その効率が向上することが報告されている。そこで、ランダム多コピー遺伝子組込みにおける組込み箇所を予めCRISPR-Cas9により切断することで組込みコピー数を増加させることを試みた。 具体的には、はじめに、CRISPR-Cas9により遺伝子組込み箇所であるδ配列を切断した。次に、δ配列をターゲットとし、糸状菌由来のエンドグルカナーゼ遺伝子を組込んだ。最後に、リアルタイムPCR法により、組込まれたエンドグルカナーゼ遺伝子のコピー数を測定した。通常のランダム多コピー遺伝子組込み技術によりエンドグルカナーゼ遺伝子を導入した場合、その組込みコピー数は14であった。これに対し、予めCRISPR-Cas9により遺伝子組込み箇所を切断した場合の組込みコピー数は40であった。従って、CRISPR-Cas9を用いることで、遺伝子組込みコピー数を2.9倍向上させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画であった、CRISPR-Cas9を用いて酵母の遺伝子組込みコピー数を向上させる技術を確立することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度開発したCRISPR-Cas9を用いて酵母の遺伝子組込みコピー数を向上させる技術を応用し、高付加価値な二次代謝産物を生産する酵母の作製を進める。さらに、作製した酵母を用い、ジャーファーメンターによる培養で温度、pH、通気条件などの生産条件の最適化を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由 今年度の成果を国内学会において発表する予定であったが、十分な成果が得られたため、次年度の国際学会で発表することが妥当であると考えた。従って、今年度計上した旅費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。 使用計画 国際学会への参加旅費として使用する。
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Research Products
(6 results)