2019 Fiscal Year Research-status Report
Efficient production of plant secondary metabolites through global metabolic engineering in yeast
Project/Area Number |
18K14069
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山田 亮祐 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40608626)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酵母 / 発酵 / 代謝工学 / 植物二次代謝産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等植物などが生産する高付加価値な二次代謝産物を、酵母により安価に生産する技術の確立が期待されている。研究代表者は既往の研究で、10段階以上もの複雑な代謝経路を簡便に最適化できる独自技術であるグローバル代謝工学を開発した。本研究では、この遺伝子発現量最適化技術を駆使し、植物二次代謝産物を高効率に生産することを目指す。 今年度は、グローバル代謝工学を用いて、酵母による、植物二次代謝産物であるパチョロールの生産を試みた。パチョロールは、パチュリの葉に含まれるセスキテルペンアルコールで、一般的には、水蒸気蒸留法で抽出される。しかし、パチュリからはわずかな量のパチョロールしか得られず、水蒸気蒸留法は消費エネルギー量が大きいという問題がある。従って、組換え微生物を利用したパチョロールの生産が期待されている。既往の研究では、酵母やコリネ型細菌などを用いたパチョロールの生産が検討されている。 本研究では、酵母において、パチョロール合成に関与する9つの遺伝子(ERG10, ERG13, tHMG1, ERG12, ERG8, ERG19, IDI1, ERG20, PTS)の発現を、グローバル代謝工学により最適化した。作製した酵母YPH499/PAT167/MVA442によるパチョロールの生産では、生産濃度42.1 mg/L、生産速度19.8 mg/L/d、収率2.05 mg/g-glucoseを達成した。これらの値は、これまでに報告されている組換え微生物による生産例の中でも高いものであった。また、パチョロール合成に関与する9つの遺伝子の中では、特にERG20、tHMG1、ERG13、ERG19の4つの遺伝子の発現が重要であることが示唆された。本研究の成果は、他の植物二次代謝物の生産にも応用可能であると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は、酵母において、グルコースから、パチュリから得られる植物二次代謝産物であるパチョロールにいたる全ての酵素遺伝子の発現量を、研究代表者が開発した独自のグローバル代謝工学により最適化することで、パチョロールを効率的に生産可能な酵母を創製することであった。 今年度は、パチョロールの生産に関する9つの遺伝子の発現を、グローバル代謝工学により最適化することで、パチョロール生産濃度42.1 mg/L、生産速度19.8 mg/L/d、収率2.05 mg/g-glucoseを達成し、パチョロールを効率的に生産する酵母を作製することに成功した。また、それらの遺伝子の中で、これまでに報告例の無い遺伝子を含むERG20、tHMG1、ERG13、ERG19の4つの遺伝子の発現が重要であることを初めて見出した。従って、今年度までの研究進捗状況を「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度開発したパチョロール生産酵母に加えて、アルテミシニン酸生産酵母の作製を進める。さらに、作製した酵母を用い、ジャーファーメンターによる培養で温度、pH、通気条件などの生産条件の最適化を進める。
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