2018 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a novel artificial photosynthetic model in a self-assembly of metal nanoclusters
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18K14070
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石田 洋平 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00726713)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 金属クラスター / 人工光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、これまで有機化合物を中心として研究されてきた人工光合成の実現を、金属クラスターを用いて達成する。近年、金属原子数10個以下程度で構成される金属クラスターが、有機分子のような光学特性を示すことが明らかになってきた。申請者はこれまで、静電相互作用に基づいた有機分子集合構造制御と人工光合成系への応用を研究してきた一方、ごく最近、完全に単一組成のカチオン性金属クラスター群の合成に世界で初めて成功した。自然界の光合成系のように秩序立った集合構造を金属クラスター群に適用することで、金属クラスターを擬光合成分子として利用する全く新しい人工光合成モデルを提案する。前半の1年間は、複数の金属種を用い、適切な光学特性を有するカチオン性金属ナノクラスター群の新規合成とライブラリー化を行う計画であり、実際に複数種の新しいカチオン性金属ナノクラスター群の新規合成に成功した。具体的には、塩化金酸を原料にカチオン性チオール配位子もしくはピリジル基を有するチオール配位子の存在下で還元することで、金144及び金25量体クラスターを新規に合成し、主に吸収スペクトルとエレクトロスプレーイオン化質量分析法により解析した。特にピリジル基を表面に有する金クラスターは酸性溶液中で可逆的なプロトン化による表面極性のコントロールが可能であることがわかり、本研究で目指す静電相互作用による集合構造制御において柔軟な超分子系の構築が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、実際に複数種の新しいカチオン性金属ナノクラスター群の新規合成に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
合成した新規金属クラスター群の光学特性の調査の後、適切な組み合わせを用いて集合構造制御と人工光合成系への適用を行う。
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Causes of Carryover |
本年度残額と合わせて、次年度に装置備品を購入するため。
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