2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a methodology enabling depolymerization-induced self-disassembly
Project/Area Number |
18K14071
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本多 智 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (10711715)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 両親媒性ブロック共重合体 / 自己組織化 / 解重合 / 高分子ゲル / 光反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
物質の構造をナノスケールの領域において自在に配置・配列する方法論の開発は、環境・エネルギー・ライフサイエンス分野において共通して求められている課題である。制御可能かつ積極的な分解性を併せ持ち、分解生成物が全て構造の明確な生体適合性分子や天然分子となる材料を創出できればその意義は計り知れない。ところが、従来材料は一般に主鎖中のあらゆる箇所でランダムに分解されるため、分解生成物の構造を制御することは困難であった。また、意図したタイミングかつ温和な条件で積極的に分解するような仕掛けを施す有効な方法論もなかった。そこで本研究では、「意図したタイミングで分解可能な高分子を有効利用し、構造の明確な小分子を生成するとともにナノ構造が崩壊する系を構築すること」を目的として掲げた。 そこで第一に、2,4,5-トリフェニルイミダゾール(ロフィン)二量体(HABI)を分子鎖中に持つポリジメチルシロキサン(PDMS)を合成した。また構造の明確な低分子量体の生成を狙い光刺激による主鎖の切断を試みたところ、高分子量の物質を分子鎖中の特定の箇所で選択的に切断して低分子量化合物を得ることに成功した。 第二に、ポリエチレンオキシド(PEO)と、水中での解重合性を期待できるポリ(γ-ブチロラクトン, BL)(PBL)とのブロック共重合体の合成し、その分解特性を調べた。その結果、両親媒性ブロック共重合体の疎水鎖をアンジッピングによって短鎖化するとともに分子集合体を崩壊させる分子集合体操作技術として考案した「解重合誘起自己非(脱)組織化(DISD)」を実証するに至った。本研究成果は、物質の構造をナノスケールおよび分子レベルで自在に制御する技術の一翼を担うと期待できる。
|