2018 Fiscal Year Annual Research Report
二次元層状物質の基板としての六方窒化ホウ素(h-BN)の評価
Project/Area Number |
18K14083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 美穂 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (20738588)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 六方窒化ホウ素 / 二次元層状物質 / グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
六方窒化ホウ素(h-BN)は絶縁体の二次元層状物質であり、表面が原子レベルで平坦、ダングリングボンドが無いなど、グラフェンや遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)などの原子層物質に対する究極の基板として使われている。しかし我々のこれまでの研究で、 h-BN結晶中には炭素濃度の高い不純物ドメイン領域が存在し、劈開して薄層化してもドメインが残り、しかもそのドメイン領域は光学顕微鏡や原子間力顕微鏡などの一般的な手法では判別できないことが明らかになった。つまり世界中で作製されているファンデルワールスヘテロ構造では、知らず知らずのうちにドメイン上に二次元層状物質を載せてしまっている可能性がある。本研究ではこのドメインが上に乗せた二次元層状物質の特性に影響を与えるかどうかを明らかにする。具体的にはドメインをまたぐようにグラフェンおよびWS2をh-BN上に載せ、グラフェンの電気伝導特性とWS2の発光特性を調べることを目的とした。 h-BNの不純物ドメインが上部に積層された原子層物質の電気伝導特性および光学特性に与える影響を明らかにすることを試みた。具体的には、不純物ドメイン(h-BN)をまたぐようにグラフェンを転写して電気伝導特性を評価した。この実験においては不純物ドメイン領域はUV光を照射した際のh-BNからのPL発光スペクトルによって判別する。バックゲート電圧を印加して縦抵抗測定を行い、キャリア移動度を評価した。不純物ドメイン上のグラフェンでは基板由来の外因的なキャリア散乱が生じてキャリア移動度が大幅に減少すると期待される。実験的には、両極性電界効果による抵抗ピークの半値幅増大、ディラック点のずれ、ゲート掃引のヒステリシスとして観測した。
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Research Products
(2 results)