2018 Fiscal Year Research-status Report
Template synthesis of one-dimensional transition metal chalcogenides inside nanotubes
Project/Area Number |
18K14088
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中西 勇介 首都大学東京, 理学研究科, 助教 (50804324)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 鋳型合成 / 遷移金属カルコゲナイド / ナノリボン / ナノワイヤー / 原子分解能電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンナノチューブを鋳型に用い,遷移金属カルコゲナイド系の新奇ナノワイヤー,ナノリボンの高収率・高品質合成に成功した。特にナノワイヤーでは,理論上でしか予想されていなかった連続的な「ねじれ」の観察に世界に先駆けて成功した。この成果はすでにNano Lett.誌にオンライン公開され,掲載号(本年度8月号)の表紙を飾る予定である。また,これまで未踏だったNb系を含む6種類のナノリボン(MoS2, MoSe2, WS2, WSe2, NbS2, NbSe2)の精密合成にも成功し,遷移金属カルコゲナイドナノリボンの系統的な構造・物性評価が可能になった。さらに重要な成果として,カーボンナノチューブの代わりに窒化ホウ素(BN)ナノチューブを用い,精密に合成したMoS2ナノリボンの光吸収(EELS)スペクトル測定に成功したことが挙げられる。BNナノチューブは6 eVもの巨大なバンドギャップをもつ絶縁体で,カーボンナノチューブと違って内包物の光学スペクトルに干渉しない。これにより,これまでは難しかったナノチューブ内部の詳細な分光評価が可能になり,ジグザグ型MoS2ナノリボンの電子状態がMoS2の単層シートとは異なることを明らかにした。また,以上の成果に関連し,優秀講演賞(分子科学討論会)やJournal of Materials Chemistry A賞(フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム)など,4件の学会賞も受賞している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD, MX2)ナノリボンのみを研究ターゲットとして合成を目指していたが,それに加えて新奇ナノワイヤーの合成にも成功した。このナノワイヤーは「遷移金属モノカルコゲナイド(TMM, MX)」と呼ばれ、理論的には30年以上前から研究されている針状物質(量子細線)である。TMMナノワイヤーは特有のねじれ構造を持ち,ねじれ角の違いによって電子状態が変化することが予想されている(I. Popov et al., Nano Lett. 2008)。また,ナノスケールの微小デバイスの配線としての応用も期待されてるが、凝集して束になりやすい性質があるため、実験研究は進んでいなかった。本研究計画では,TMDナノリボンの合成に取り組む中,偶然このナノワイヤーの多量合成に成功し,さらに理論上でしか予想されていなかったねじれを世界に先駆けて電子顕微鏡で撮像することに成功した。この研究成果はすでにNano Lett.誌にオンライン公開され,国内外の多くのメディアでも取り上げられている。以上の理由により,本年度の研究は,当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度ではこれまでの研究の総まとめを行う。特に、現在までに合成したナノワイヤー,ナノリボンの物性評価を精力的に進める。特に、絶縁体であるBNナノチューブ内に合成したナノリボンについては,モノクロメーターを用いた最新鋭のSTEM-EELS技術と,励起子効果を加味した第一原理計算を合わせることで,構造との電子状態の相関を明らかにする。TMDナノリボンの構造-物性相関を実験的に検証した例はなく,ナノサイエンスの分野において大きなインパクトを与えることが予想される。 また、ナノワイヤーを内包したCNTについても各種物性・機能の評価を積極的に進めていく。テルルなどの重元素で構成されるナノワイヤーとCNTの間には,顕著な相互作用が働いていることが予想される。そのため,CNTの物性を劇的に変調させることが期待できる。国内外の共同研究者らと協力し,CNT薄膜の電気・熱輸送特性や触媒活性などを中心に評価測定を進めていく予定である。 また、研究成果のプレスリリースやその他のアウトリーチ活動(ポータルサイトや科学雑誌などへの解説記事の寄稿など)も含めて、一般の人々に重要性をアピールしたい。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Excited‐State Charge Transfer in Covalently Functionalized MoS2 with a Zinc Phthalocyanine Donor-Acceptor Hybrid2019
Author(s)
Ruben Canton‐Vitoria, Habtom B. Gobeze, Vicente M. Blas‐Ferrando, Javier Ortiz, Youngwoo Jang, Fernando Fernandez‐Lazaro, Angela Sastre‐Santos, Yusuke Nakanishi, Hisanori Shinohara, Francis D'Souza, Nikos Tagmatarchis
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Journal Title
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 58
Pages: 5712-5717
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Isolation of Single-wired Transition Metal Monochalcogenides by Carbon Nanotubes2019
Author(s)
Y. Nakanishi, M. Nagata, S. Shukla, Z. Liu, T. Shiga, Y. Nakamura, T. Inoue, N. Kanda, T. Koyama, H. Kishida, K. Suenaga, and H. Shinohara
Organizer
IWEPNM2019
Int'l Joint Research
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[Presentation] Isolation of single-wired Transition-metal Monochalcogenides by Carbon Nanotubes2019
Author(s)
Y. Nakanishi, M. Nagata, S. Shukla, Z. Liu, Y.-C. Lin, T. Shiga, Y. Nakamura, T. Inoue, N. Kanda, T. Koyama, H. Kishida, K. Suenaga, and H. Shinohara
Organizer
第56回フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム
Int'l Joint Research
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