2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of wound dressing of hydrophobized colloids by controlling nano-bio interface functions
Project/Area Number |
18K14099
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
西口 昭広 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 研究員 (10784944)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 組織接着 / 粒子 / バイオポリマー / 疎水基 / ゼラチン |
Outline of Annual Research Achievements |
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、食道や胃、大腸などにおける早期消化器がんを内視鏡によって切除する低侵襲な治療法として注目を集めている。一方で、がん組織を含む粘膜下層剥離後、組織剥離部位で生じる収縮(瘢痕拘縮)による狭窄が深刻な課題となっている。創傷被覆材は、術部の炎症を抑制し創傷治癒を促進することを目的として臨床で使用されているが、組織接着性が低い点、分解に伴う炎症が生じる点、創傷部への送達が難しい点などの課題がある。 そこで本研究では、ESD後の消化管がん術部の創傷治癒を促進する生体組織接着性粒子を開発することを目的とする。2018年度においては、創傷治癒を促進する創傷被覆材の開発および治癒メカニズムの解明を目的として、疎水化微粒子の開発および生体組織との相互作用解析を行った。ゼラチンを疎水化した、疎水化ゼラチンを合成し、スプレードライ法を用いて疎水化ゼラチン粒子を作製することに成功した。得られた粒子は約3μmの粒径であり、比較的粒径のそろった球状の構造体であった。疎水基の導入量に応じて、粒子表面の疎水化度が制御可能であることを確認した。また、ブタ胃内壁を用いた接着試験においては、疎水化ゼラチン粒子が高い接着強度を示すこと見出した。また、得られた粒子の血液凝固能について評価した。その結果、疎水化微粒子は高い血液凝固能を示すことが明らかとなった。さらに、細胞と相互作用することで、サイトカインの産生を惹起することも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
創傷被覆材である疎水化微粒子の開発に成功し、細胞試験をすでに開始し一定の成果を得ているだけでなく、2019年度に実施を計画している動物試験に関しても、すでに実験を開始しており、創傷治癒の促進効果を示唆する結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度においては、作製した材料と生体組織との相互作用をより詳細に解析し組織再生メカニズムを明らかにする予定である。また、ラット全層皮膚欠損モデルを用いて、本材料の創傷治癒効果の検証試験を進めていく予定である。
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Research Products
(7 results)