2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K14101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 瑛宏 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (10732555)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロ流路 / Flow cytometry / Droplet microfluidics |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ナノリットルサイズの液滴を1秒間に数千個分取できるデバイスを実現し、創薬などに有用な希少細胞を見つけ出すこと目的としている。平成30年度においては、これまで0.1 nLの液滴を分取するのが限界だったが、電極に与える電圧の制御の工夫、より大きな液滴を扱えるようにするための流路及び電極設計変更、および流路形状の工夫を行い、1nLの液滴を1秒間に1000個分取可能なデバイスを実現した。下記で詳細に説明する。 これまでは複数電極に均一な電圧を印加させていた。しかしながら、電極と液滴の距離は分取動作によって変化することを考慮して制御する必要があることが分かってきた。このため、電極と液滴の距離によってどのように液滴に加わる力が変化するかを数値シミュレーションによって明らかにし、その結果を基にして電圧を変化させるようにした。その結果、従来よりも3倍から4倍程度の高速化を実現できた。 上記の結果を受けて、液滴を巨大化を試みた。具体的には、流路および電極を相似的に大きくし、実験による試行錯誤を基に微調整を行った。このことにより、これまでは0.1nLの液滴までしか扱えなかったが、1nLの液滴を扱うことに成功した。 さらに流路形状を幅一定の直線流路から幅が分取領域で変化する流路へと変更することにより、1.5倍程度の高速化に成功した。 以上のように、様々な対策をこうじることにより、これまでのデバイス性能を大きく上回る結果を得られた。本結果に関しては日本化学学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30年度はデバイス性能を大きく向上させることに成功した。デバイス設計は計画当初とやや異なる形状を採用しているものの、性能としては計画通りの結果が得られた。以上より、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度はデバイス性能を大きく向上させることに成功した。しかしながら、デバイスパフォーマンスの詳細は未知なところが多い。31年度は、これらをシミュレーションなどを駆使して詳細に調べ、確かな技術として確立する。また、細胞を用いた実験にも着手し、実用化への道筋を立てることに挑戦する。
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Research Products
(3 results)