2018 Fiscal Year Research-status Report
生体-機械インターフェースの為のモノリシック微小ソフトロボット作製技術の開発
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18K14108
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々 文洋 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (30722681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モノリシックロボット / 熱駆動アクチュエータ / アクチュエータフィルム / 化学センサ / 生体-機械インターフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
生体アシストデバイスによる知覚・身体機能の支援・拡張技術は、来たる超高齢化社会における労働力不足に対する有望な技術的解決策である。AI、ロボット、生化学分析技術の発展する現在、その機能のボトルネックは機械と生体をつなぐインターフェースにある。課題の本質は常に成長・変形する生体と、動くことのない機械との齟齬からくる身体への侵襲性である。本計画では微小チップ上の化学分析ロボットであるMicro Total Analysis System (μ-TAS)のテクニックを応用し、生体に寄り添う、柔らかく・動的に位置ずれを修正する生き物のような生体-機械インターフェース設計・作製のための基盤技術を構築する。具体的には、”モノリシックプロセスによる微小ソフトロボット作製技術“を構築し、また、そこで中核となる新概念の材料“フォトパターンナブルなソフトアクチュエータマテリアル”を開発する。 平成30年度には、本計画で中核となる“リソグラフィーでパターンニング可能な熱駆動ソフトアクチュエータフィルム”の作製・加工技術の開発を行った。今後このフィルム上にセンサ・微小流路を形成することで柔軟に動く化学インターフェースプローブを構築」する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発した熱駆動ソフトアクチュエータフィルムは柔軟かつ熱膨張係数の高い伸縮層と、柔軟な熱膨張係数の低いサポート層からなるバイモルフ熱アクチュエータ層と、緩衝層としてPDMS層を介したヒーター駆動電極層を積層張り合わせすることで構成される。緩衝層にヤング率の低いPDMS層を用いることによって、アクチュエータ層は駆動電極層との間にはバイモルフ効果による機械的な制限を受けずに屈曲・変形することが可能となる。積層アクチュエータ―フィルムの作製には、伸縮層にポリプロピレン(PP)、サポート層には紙およびアルミホイルを用いた。各層の接着には熱硬化接着剤を用いた。 作製したアクチュエータフィルムはレーザーによりカッティング加工後、ステンシルマスクとスパッタリングにより熱駆動電極パターンを形成した。作製した指状アクチュエータに2 Vの電圧を印可したところに発生したジュール熱による反復的屈曲運動確認でき、また50回の温度昇降の繰り返し後にも変位量に変化は見られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、30年度に作製したソフトアクチュエータフィルムに流路層・センサ層を形成することで、動く生体-機械インターフェースを開発する。
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Causes of Carryover |
アクチュエータフィルム加工プロセスの検討の結果、使用するフォトリソグラフィー関連材料の変更があったため未使用額が生じた。 次年度、プロセス変更に伴う部材調達に未使用額を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)