2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K14109
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
平間 宏忠 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (40748779)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロニードル / マイクロ流路 / 微粒子 / 液滴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、薬剤含有微粒子を構成材料とする、高濃度薬剤を固定・徐放できる高機能な溶解性マイクロニードルの開発を目的としている。本年度は、(1)微粒子回収後の後処理工程の条件検討、(2)金属製マイクロニードル鋳型を用いた溶解性マイクロニードルの試作と基礎特性評価を行なった。(1)に関しては、本研究手法により得られた油中懸濁微粒子が、マイクロニードルの母材と適切に混合できるようにするための条件を検討した。初期検討では、マイクロニードル母材に、油(主にひまわり油とミネラルオイル。微粒子生成時に使用)中懸濁微粒子を加えた。しかし、油がマイクロニードル母材によく混ざらず、互いに分離してしまった。そこで、油を再検討し、最終的には先の油をシリコーンオイルと置換することで、マイクロニードル母材に微粒子を混ぜ込むことが可能になった。また本手法を用いたことで、微粒子回収時に混入する、不要な水を取り除くことも可能になった。(2)に関しては、(1)により得られた微粒子混合マイクロニードル母材を、凹型鋳型に充填して形状を転写することで、微粒子内包溶解性マイクロニードルを成形した。試作したマイクロニードルの基礎特性評価として、マイクロニードルの溶解性および穿刺性を調べた。溶解性については、寒天にマイクロニードルを貼り付けて体温付近で静置することで、マイクロニードルが微粒子を放出しつつ溶解することを確認した。また穿刺性については、豚皮にマイクロニードルを貼り付けた後その豚皮を観察することで、豚皮に穿刺することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の基本コンセプトである、高濃度成分を含む微粒子からなる溶解性マイクロニードルを試作し、その基礎的な評価を行うことができた。また、微粒子回収後の後処理工程(本手法による溶解性マイクロニードル作製で不可欠)について、当初は苦戦したものの、最終的には条件を見出し、マイクロニードルの試作・評価まで到達することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本手法に関わる基礎的知見をさらに深めるため、微粒子の作製条件および特性評価、溶解性マイクロニードルの作製条件および特性評価を進める。
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Causes of Carryover |
年度末に購入を予定していた消耗品の購入価格が予定よりも少額でおさまったため、次年度のその他消耗品購入に使用を予定。
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