2019 Fiscal Year Annual Research Report
Electrical transport in devices based on layered oxides
Project/Area Number |
18K14121
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 尚之 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90609942)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 薄膜 / デバイス / 酸化物 / 層状物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
高い電気伝導性を有する層状酸化物金属PdCoO2のデバイス化により、特異な輸送現象や新しい機能の探索を行うのが本研究の目的である。PdCoO2はPd+層と[CoO2]-層が交互に積層した層状の結晶構造を持ち、Pd+層が2次元的な電気伝導層として働き、単体金属並みの高い電気伝導性を示す。本研究ではパルスレーザー堆積法によるPdCoO2の薄膜化とヘテロ構造や微細構造を利用したデバイスの開発を行った。厚さ数nmの極薄膜を作製することにより、PdCoO2表面の物性を詳細に調べた。その結果、PdCoO2表面の分極によって、表面磁性が生じることを電気伝導、分光、磁気特性評価により明らかにした。海外との共同研究を通し、PdCoO2のサブミクロンスケールのデバイス作製方法を確立し、電子の波動関数の干渉に由来する磁気抵抗効果を観測した。また、派生的な成果として酸化ガリウムとの接合において、PdCoO2のイオン性層状構造が作る界面ダイポールにより高温動作可能なダイオードが作製できることを明らかにした。より広範な物質系へと研究を拡張するため、PdCoO2の類縁物質であるPdCrO2の薄膜化に取り組んだ。PdCoO2で確立した原料の交互供給による薄膜成長方法を適用することで、高品質なPdCrO2薄膜の作製に成功した。本研究を通して、デラフォサイト型の層状酸化物金属薄膜の物性を明らかにするとともにデバイス応用に向けた基礎学理を構築した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Anomalous Hall effect at the spontaneously electron-doped polar surface of PdCoO2 ultrathin films2020
Author(s)
T. Harada, K. Sugawara, K. Fujiwara, M. Kitamura, S. Ito, T. Nojima, K. Horiba, H. Kumigashira, T. Takahashi, T. Sato, A. Tsukazaki
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Journal Title
Physical Review Research
Volume: 2
Pages: 013282
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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