2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a compact desktop 3D transmission-type X-ray microscope with nanometer resolution
Project/Area Number |
18K14124
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
入田 賢 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 助教 (20792188)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 走査電子顕微鏡(SEM) / X線顕微鏡 / 電子源 / カーボンナノチューブ(CNT) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、卓上-走査電子顕微鏡(DSEM)をベースにナノメータ分解能を有する持ち運び可能な小型卓上の3次元透過X線顕微鏡(3D-TXM)の開発である。本研究計画申請時、研究代表者が先行研究で開発してきた多層カーボンナノチューブの冷陰極電界放出電子源(CFE)を搭載したDSEM(Tiny-SEM, TECHNEX)をベースに装置の研究開発を行うことを計画していたが、異動に伴い装置を使用することができなくなった。そこで、代わりとなるタングステンの熱電子源(TFE)を搭載したDSEM(JCM-6000Plus, JEOL)とX線検出器(XRI-UNO Si 500 um, IMATEK)を準備し、設計を一新し研究に取り組んだ。 初年度、TFE-DSEMを用い先行研究と同様に、SEM像より分解能の評価を行なった。TFE-DSEMで観察したSEM像には、大きなノイズは無く、分解能23 nmであった。TFEの電子銃であってもノイズが無いことで、先行し開発したCFE-DSEMと同程度の分解能を得られることがわかった。 今年度は、電子ビーム収束位置を考慮し、試料室とBeを用いたX線透過窓を設計作製を行なった。装置構造としては、電子ビームの位置を変えてX線を大気に取り出せる構造を実現することができた。AuをX線ターゲットとし、大気圧下での観察を試みたが、X線量が少なく試料形状が判断できるTXM像観察を実現することができなかった。先行研究と同程度の加速電圧を使用しており、X線の発生効率は同じである。また、TFEなのでプローブ電流量は多いが、CFEに比べ輝度が1000倍程度違うため、X線の発生量が少ないのかもしれない。 本研究では、CFE電子源の有用性の実証、および、今後、CFE電子源を搭載したDSEMにすることにより、試料の3D-TXM像観察が可能になると思われる。
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