2018 Fiscal Year Research-status Report
Enlargement of defect-free GaN crystals by the Na-flux method
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18K14138
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今西 正幸 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00795487)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | GaN / Naフラックス法 / ポイントシード / 薄液 / 高純度化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は従来の予定通り、GaN結晶の高純度化、高速成長及び結晶中酸素濃度評価手法を確立したことに加え、持続成長機構開発に取り組んだ。GaN結晶中酸素濃度のフラックス液位依存性を調査した結果、低液位であるほど酸素濃度が10^18 cm^-3オーダーまで減少することが分かった。一方、10^18 cm^-3 を下回る酸素濃度を実現すべく、次年度予定していたNa原料の高純度化についても前倒して取り組んだ。従来、北海道大学にて高純度化されたNaを本学にて使用していたが、輸送中に不純物混入することが問題となっており、本学にてNaの精製を行う必要があった。そこで、本学にて精製を行うプロセスを確立した上で、当該精製Naを用いてGaN結晶成長を行うことに成功した。GaN結晶の高速成長についても、液位500umの低液位フラックスを用いて取り組んだ。その結果、従来予定していた50um/hを大幅に上回る100um/h以上での高速成長に成功した。 酸素濃度の簡易評価手法として、C-V測定によるキャリア濃度計測にも取り組んだ。酸素濃度の異なる複数のGaN結晶で測定を行った結果、酸素濃度とキャリア濃度に相関関係が見られ、C-V測定により間接的に結晶中酸素濃度を評価可能であることを見出した。持続成長機構として、攪拌機構の開発にも取り組んだ。通常結晶成長雰囲気である高圧(4MPa)窒素ガス内部での攪拌は困難であるが、外部(大気雰囲気)から動力を伝える機構を開発し、溶液のプロペラ攪拌を可能とした。Gaの供給機構の開発も行った。Gaをアルミナ容器内に重点し、当該容器ごと坩堝内のフラックスに浸漬することにより、Gaを供給することに成功した。一方Ga供給量最適化のため、結晶の重量モニタリングが課題であったが、電気抵抗により結晶成長のモニタリングが可能であるという想定以上の成果も得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初より計画していたGaN結晶の高純度化及び高速成長(速度50um/h以上)に成功したことに加え、結晶中酸素濃度評価手法を確立した。また、持続成長機構開発に取り組み、プロペラ攪拌機構及びGa供給機構の開発に成功した。重量モニタリングが未達成ではあった一方、Ga-Na融液に電流を印加し、その抵抗変化から結晶成長をモニタリング可能であるという新たな知見を見出した。当該知見は、重量によるモニタリングに比べて簡便、かつ正確であり、期待していた以上の成果を挙げることができたと言える。 上記に加え、当初2019年度以降に検討する予定にしていたNa高純度化技術開発も並行して進めることができたことも当初の計画以上に進展していると判断した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に見出した高速成長条件を用い、2インチ口径のGaNウエハ作製を目指す。酸素不純物濃度の低減についてはイオン液体により高純度化したNaを活用することで実現する。最終的には、高成長速度、大口径、高純度、及び品質維持等のすべての要件を満たすGaN結晶を作製する。
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