2019 Fiscal Year Research-status Report
環状ビームを用いたレーザー誘起収束圧力波による遺伝子導入法の開発
Project/Area Number |
18K14142
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
長谷川 智士 宇都宮大学, 工学部, 助教 (50600558)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 光干渉断層法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,環状ビーム照射により誘起された応力波を細胞に正確に作用させるために,光干渉断層法(OCT)を用いた細胞の表面位置検出法の開発を行った. 具体的内容: 前年度は,共焦点顕微鏡を用いた表面位置検出法の開発を行った.共焦点顕微鏡は,計測において高い光軸分解能を有するが,測定対象や対物レンズを光軸方向に走査する必要があるため,細胞の様な計測対象が膨大にある場合は,不向きであった.その課題に対して本年度は,波長掃引光源を用いたフーリエドメインOCT計測により,光軸方向の断層画像から,細胞の表面位置の検出を試みた.OCT計測系を,前年度に構築したレーザー照射系に組み込み,まずは固定試料(カバーガラス)の断層計測を可能とした. 意義: OCTは,機械的走査を必要とせず,対象の断層画像をシングルショットで計測できることが特徴であるため計測のスループットが高い.そのため,遺伝子導入対象となる標的細胞数が膨大である場合に,本手法は有効となる. 重要性:標的細胞への遺伝子導入のスループットや効率を上げるためには,標的細胞の3次元位置を「正確に」「素早く」知ることが重要となる.本年度に取り組んだOCT計測系の構築は,その目的を達成するために重要となる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー照射系へのOCT計測系の導入が完了し,計測系の動作確認を完了した.また,培養細胞にレーザーを照射した際の,細胞活性の様子を,蛍光試薬を用いて可視化することに成功した.以上より,実験系の構築や改良に関してはおおよそ完了したため,研究はおおむね順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,実際の細胞試料においてOCT計測を試み,細胞の表面位置検出を行う.その計測結果をもとに,環状ビームによる応力波を細胞に作用させ,遺伝子導入の有無や細胞活性を蛍光試薬を用いて可視化する.可視化された蛍光像をもとに,照射するレーザーパラメーター(エネルギー,ショット数)の最適化を行う.
|