2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a game-changing isotope analysis method using absorption saturation phenomena in an optical cavity
Project/Area Number |
18K14162
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桑原 彬 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50732418)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 同位体分析 / レーザー分光 / 光共振器 / プラズマ / 放射性廃棄物 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度から引き続きキャビティーリングダウン分光法(CRDS: Cavity Ring-Down Spectroscopy)の理論に吸収飽和項を考慮した理論検討を実施した。前年度に開発した計算コードとの比較検討のため、ガウシアンビームプロファイルを考慮した理論式(吸収率を半径方向に積分)を適用した。この理論式では、リングダウン信号の初期飽和状態を決定する理論式として、ラムディップ式を導入することで、プラズマのガウス分布を適切に考慮した理論検討を可能にする。理論式の比較検討の結果、レート方程式に基づくリングダウン信号との差が確認されたが、これはレート方程式のスペクトル形状がローレンツ分布であると仮定されているためと考えられる。リングダウン信号からの吸収プロファイル(ラムディップ)の復元は、(i)初期状態を推測し、(ii)そこからの飽和現象の減衰時間を推測する、ことである。したがって、飽和パラメータと時定数を適切に評価することが高精度化につながる。今回の理論検討により、ガウシアンビームプロファイルを考慮することで、飽和パラメータの高精度な評価が可能となった。 実験については、ラムディップ観測のための初期検討として、初年度に使用したFPレーザーを外部共振型半導体レーザーに変更し、低反射率の平面ミラーによる反射光をプラズマ中で対向させ、ストロンチウム原子の蛍光信号の観測を試みた結果、Sr-88(ストロンチウム)のラムディップ信号を観測することに成功した。本実験においては、平面ミラーを使用したため、蛍光観測点でのレーザーエネルギー密度が低下したことで、他の安定同位体のラムディップ信号がグラウンドノイズに埋もれてしまったが、実験体系の改善により高感度な分析手法となる可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)