2019 Fiscal Year Annual Research Report
Upscaling of fractured rock using digital rock physics
Project/Area Number |
18K14169
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 達紀 九州大学, 工学研究院, 助教 (00736845)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | デジタル岩石物理 / アップスケール / クラック / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、前年度に引き続きフラクチャーを含む不均質な岩石の弾性的特徴を反映できるデジタル岩石の解析手法の開発を行った。検討した手法は、X線CTによって構築した3次元デジタル岩石に対し、ピクセルごとに有効媒質理論を適用することで、岩石内部の不均質性を考慮しながら、岩石全体の弾性波特性を評価する手法である。 前年度は、有効媒質理論としてModified Hashin-Shtrikman bound (MHS) を用いたが、今年度は新たにDifferential Effective Medium (DEM)を用いた手法の開発を行った。この手法では、デジタル岩石全体のクラックのアスペクト比とcritical porosityを仮定し、DEMにより密度分布を考慮したピクセルごとの弾性定数を推定する。さらに構築した3次元モデルに対し、弾性波動シミュレーションを適用することで、デジタル岩石全体の弾性波速度を推定する。 提案手法を延岡衝上断層で取得された岩石サンプルのデジタル岩石データに適用した。提案するモデリングでは、クラックのアスペクト比とcritical porosityが未知数であるため、実験室で計測したP波およびS波速度と比較をすることで、これらのパラメータの制約を試みた。その結果、適切なパラメータを選択することで、実験値と数%程度の差におさまるモデリングが可能であることがわかった。しかしながら、異なるcritical porosityに対し、それぞれ実験値に整合的なアスペクト比が得られたため、これらのパラメータを一意に決定するには、さらなる制約条件が必要であることがわかった。 このようなデジタル岩石を用いた手法により、従来の岩石物理学では取り扱いが困難である岩石内部の不均質性(密度分布)を考慮しながら、岩石サンプルのクラックのアスペクト比などの情報を推定できる可能性が示された。
|
Research Products
(2 results)