2019 Fiscal Year Research-status Report
Distributed optimization for HEMS aggregation
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18K14170
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉田 彬 早稲田大学, スマート社会技術融合研究機構, 次席研究員 (90707887)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エネルギー管理システム / リソースアグリゲーション / デマンドレスポンス / 階層的制御 / モデル予測制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
需要家を集約し1MW以上のネガワット出力を生み出すことで,電力系統の需給逼迫解決に貢献することが期待されている.このとき家庭部門においては数千世帯規模で集約することになるため,アグリゲーションシステムにはスケーラビリティーおよびリアルタイム性の課題がある.本研究ではこれまで,非同期型の交互方向乗数法に基づく1,000需要家規模のアグリゲーションを数値的に実証してきた.この手法では,個々のHEMSの運用計画問題は混合整数線形計画(MILP)問題として定式化されているため,HEMS運用計画問題において厳密解を得る工程が計算律速となっている.そこで,本年度は,運用計画問題から導出された最適運用方策と,その外生変数であるエネルギー需要との関係性を,非線形統計モデルにより近似することで,オンラインでの運用方策導出を実現した.具体的には,Long short-term memoryを用いて,向こう24時間のエネルギー需要時系列を入力,予め運用計画問題より導出した燃料電池コージェネレーションユニット(FC-CGU)の運用方策を出力として予測器を学習した.このとき,FC-CGUの向こう24時間の運転時間は,給湯需要の積算値と相関があるというこれまでの知見より,エネルギー需要時系列はあらかじめ積算時系列に変換して入力することで,モデル化精度を向上させた.本研究成果は国際学会にて報告した. リソースアグリゲーション手法においても短時間で近似最適解を得る階層的制御手法を開発した.ここでは,HEMSが導出した複数の運用方策とそれに要する運用費をアグリゲーターにおいて選択することで,対象とする需要家全体での追加費用が最小となる運用方策の導出を実現した. また,エネルギー需要予測および予測誤差を補償するモデル予測制御を蓄熱槽を持つ熱供給プラントへ適用し,1分ごとの指示値変更へ追従して熱供給することの見通しを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標である非線形統計モデルによる近似解の導出およびモデル予測制御による誤差の補償を達成し,提案するHEMSアグリゲーション手法により1MW規模の電力プロファイルを制御しうる見通しを得た.以上よりおおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として,階層的制御手法,運用計画予測器およびモデル予測制御手法を統合したアグリゲーション手法の開発を行う.また,対象機器に応じて調整可能な電力量が異なり,それら機器の構成割合によって集約できる電力量が異なると考えられるため,DR信号に対する構成割合ごとの応答性を整理する.
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Causes of Carryover |
当初予定していた論文投稿および英文校正費用は,論文投稿の準備が完了しなかったため計上されなかった.
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Research Products
(7 results)