2019 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of long-axially symmetric dipolar pyrenes and their application to in vivo fluorescence imaging
Project/Area Number |
18K14193
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
仁子 陽輔 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 助教 (20782056)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ピレン / 蛍光 / ナノエマルジョン / 二光子励起蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、多環式芳香族化合物であるピレンに対し、長軸対称に電子ドナー・アクセプター基を配置した『双極性長軸対称ピレン誘導体』の系統的合成 と、それら誘導体の光物理的性質の解明および生命科学への応用を目的としている。昨年度は、ピレンに対し長軸対称型になるようビニルピリジニウム塩を導入した新規色素 13PY の合成に成功し、さらに同色素は生細胞のミトコンドリア膜電位をモニタリングしうる、特殊な光機能を有することを明らかにした。また、長軸対称型双極性ピレン誘導体(特に、13PY を双極化した 13PYO2)を合成する上で足掛かりとなる、1, 3-ジブロモピレンの合成に成功している。 本年度は、先述の 1, 3-ジブロモピレンを原料とした 13PYO2 の合成に本格的に取り組んでいる。しかし、予想外なことに、1, 3-ジブロモピレンは、位置異性体である 1, 6-ジブロモピレン、あるいは 1, 8-ジブロモピレンとは異なる反応性をもつことが判明し、その誘導化は未だ達成されておらず、今後も検討を続ける予定である。 他方、13PYO2 が得られていた場合、これを有機ナノ粒子(ナノエマルジョン:NE)に高密度集積した超高輝度ナノ材料を作成し、蛍光イメージングを実施する計画があった。13PY の位置異性体である 16PY の脂溶性誘導体でこれを実施したところ、同NE はマウスの大脳皮質全層の血管を可視化できることが判明した。この結果は、ピレン誘導体を導入したナノ粒子が生体イメージングに極めて有効な蛍光プローブとして機能することを示している。また、ピレン含有 NE を利用性を高めるために、NE 自体の機能化研究にも着手した。通常、NE は細胞透過性が見られないが、その表面に細胞膜透過ペプチドを修飾する技術を開発することで、生細胞に容易に取り込まれる NE が得られるようになった。
|
Research Products
(11 results)