2018 Fiscal Year Research-status Report
ピリジンの活性化を利用した位置選択的トリフルオロメチル化反応の開発
Project/Area Number |
18K14222
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
川本 拓治 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (70756139)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | トリフルオロメチル / ラジカル / ピリジン / イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
トリフルオロメチル基を有機分子に導入すると化合物の代謝安定性,脂溶性,生物学的利用能が向上する。そのため,これまでにトリフルオロ基を有する様々な医薬品が開発されている。その中でも,トリフルオロメチル基を有するピリジンはビルディングブロックとして重宝されている。しかし,従来の方法では合成の初期段階でトリフルオロメチル基を導入する必要がある。そのため,合成終盤での導入が可能な手法の開発は欠かせない研究課題である。最近,申請者はビニルトリフラートを用いた新たなラジカル反応を報告している。例えば,ビニルトリフラートに対しトリエチルボランなどのラジカル開始剤を作用させるトリフルオロメチル基が形式的に転位した化合物が得られる。この知見をもとに同様の活性化方式を用いるピリジンの位置選択的トリフルオロ化反応の開発に着手した。Coreyらの方法に従い,ピリジンに対してトリフルオロメタンスルホン酸無水物および求核剤を作用させ,ビニルトリフルオロメタンスルホニルアミドを合成した。得られた化合物に対し,トリエチルボラン,AIBNなどの様々なラジカル開始剤を作用させた。しかしながら,種々の条件下においてトリフルオロ基の導入法を検討しているが,いまだ所望の生成物を得ることができていない。ピリジンの代わりにイミンの活性化を用いたトリフルオロメチル化を検討した。その結果,トリエチルボランをラジカル開始剤として用いることで,中程度の収率ではあるがトリフルオロメチル化反応が進行することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在のところ,種々の反応条件下においてピリジンの活性化を利用したトリフルオロ基の導入法を検討しているが所望の結果を得ることができていない。そこで,ピリジンの代わりにイミンをトリフルオロメタンスルホン酸無水物で活性化する手法を検討した。その結果,ビニルトリフルオロメタンスルホニルアミドが新たなトリフルオロ源かつラジカルアクセプターとして利用可能であることを見いだした。しかしながら,いまだ生成物の収率は中程度である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,様々な添加剤や触媒を添加しピリジンの活性化を利用したトリフルオロメチル基の導入法の開発を実施する。また,ビニルトリフルオロメタンスルホニルアミドを用いるトリフルオロメチル基の導入法も併せて実施する。また,イミンからのone-pot反応の検討も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
期待した成果が得られず,成果発表を見送ったため旅費の使用額が少なくなった。次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画としては,試薬・ガラス器具などの消耗品,研究図書の購入,学会への参加のための旅費,論文投稿における英文校閲費などに充てる。
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Research Products
(1 results)