2020 Fiscal Year Annual Research Report
One-pot conversion of glutamic acid to 2-pyrrolidone over solid catalysts
Project/Area Number |
18K14261
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
菅沼 学史 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (90731753)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バイオマス / アミノ酸 / 水素化 / 脱カルボニル / グルタミン酸 / プロリン |
Outline of Annual Research Achievements |
アミン,アミド,ニトリルのような官能基を有する含窒素化合物は化学工業,医薬品の重要な化成品原料で,石油化学由来の反応物に対して窒素原としてアンモニアを挿入して合成される.しかし,アミノ酸はアミノ基を有しているため窒素挿入反応を行わずに様々な含窒素化合物に変換可能である.アミノ酸の中でグルタミン酸はバイオマス資源から回収した糖類を発酵させて大量に製造可能であるため,再生可能資源から大量に製造する方法が確立されており,高付加価値物質を製造するためのバイオベース原料として魅力的である.申請者はグルタミン酸から高付加価値含窒素化合物の合成をエネルギー負荷が小さいプロセスで行う方法を模索した.その中で,グルタミン酸から2-ピロリドンを生成する反応を見出した.グルタミン酸は120℃での熱処理だけで脱水環化してピログルタミン酸を生成する.ピログルタミン酸は水素加圧条件で5-オキソプロリナールというアルデヒド中間体へ変換される.一部は脱カルボニルにより2-ピロリドンへ変換される.一方,アルデヒド中間体がさらに水素化されるとピログルタミノールというアルカノールアミンへ変換されるが,平衡反応で5-オキソプロリナールへ戻り2-ピロリドンが生成する.代表的な水素化触媒をスクリーニングしたところ,アルミナにルテニウムを担持した触媒が高活性を示した.その活性の解明に努め,ルテニウムが脱カルボニルにより副生した一酸化炭素を効率よく水素化できることが要因であることがわかった.アルミナに代わるルテニウムの担体を検討したところ,MFIゼオライトに担持することで実現した.MFIゼオライトは他のゼオライトに比べて強いイオン強度をもつために,担持したルテニウムは正電荷を帯び高活性種として機能することを明らかにした.ここで得られた知見をピログルタミン酸と同じ環状ニ級アミンのプロリンの水素化へ展開した.
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Research Products
(3 results)