2018 Fiscal Year Research-status Report
Direct preparation of gels from herbal medicinal plants by using a low toxicity liquid zwitterion
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18K14281
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒田 浩介 金沢大学, 生命理工学系, 助教 (10748891)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イオン液体 / 双性イオン液体 / 漢方 / ゲル / セルロース |
Outline of Annual Research Achievements |
[ヒト細胞への毒性確認] ヒト線維芽細胞に対して、0.01~1.0 mol/Lの双性イオン液体を添加し、24時間培養した。培養後の細胞の生存率から、イオン液体と比較して双性イオン液体の毒性が非常に低いことが分かった。cytochrome cを利用して、双性イオン液体のタンパク質への毒性も検討したところ、イオン液体よりも低いことが分かった。(K. Kuroda*, C. Kodo, K. Ninomiya, K. Takahashi, Aust. J. Chem., 72, 139 (2018)) [より低毒性な双性イオン液体の開発] はじめに毒性のメカニズムについて検討した。それにあたり、カチオン尾部、スペーサー部、アニオン部に分けてそれぞれ異なる構造をもつ双性イオン液体を合成し、それぞれの毒性への影響を検討した。その結果、カチオン尾部が最も強く毒性へ影響しており、炭素数が8以上の場合は強い毒性を示した。スペーサー部も毒性と関係があり、カチオン尾部がある程度長いとき(例えば炭素数4)にスペーサー部も長くなる(例えば炭素数5)と毒性が高くなることが分かった。また、ジメチルスルホキシドなどの共溶媒も毒性低下へ有効であることがわかった。(H. Satria, K. Kuroda*, Y. Tsuge, K. Ninomiya, K. Takahashi, New. J. Chem., 42, 13225 (2018)) [甘草からのグリチルリチン酸の抽出]薬用植物である甘草からのグリチルリチン酸の抽出を行った。双性イオン液体を抽出溶媒として利用したときには、水を用いたときよりも多くのグリチルリチン酸を抽出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、漢方からの薬剤抽出は2年目の予定であったが、そこまでたどり着くことができた。また、関連論文も2報印刷された。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、漢方からゲルを作製し、ゲルからの薬剤の放出挙動を確認する。場合によっては、分子量の異なるセルロースを添加することでゲルの強度のコントロールを行う。
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Causes of Carryover |
本年、実験計画以上に研究が進んだが、10万円程度余裕をもって進めることができた。次年度に試薬・溶媒を購入する費用に充てる。
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