2019 Fiscal Year Annual Research Report
Direct preparation of gels from herbal medicinal plants by using a low toxicity liquid zwitterion
Project/Area Number |
18K14281
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒田 浩介 金沢大学, 生命理工学系, 准教授 (10748891)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 漢方 / イオン液体 / ゲル / 双性イオン液体 / セルロース / バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの知見から、双性イオン液体に溶解した薬用植物を水中へ滴下することで薬用植物を溶解した溶液から漢方ゲルを作製した。薬用植物としては、グリチルリチンなどを主成分とする「甘草」をモデルとして用いた。甘草のゲルを作製し、グリチルリチン酸が放出されていく様子を観察した。体内の様々な部分を想定して、pHが5.0, 7.4, 9.0の緩衝溶液を用意し、それらの溶液へ薬効成分が放出される量および速度について高速液体クロマトグラフィーを利用して検討をおこなうことができた。いずれのpHにおいても甘草から作製したゲルよりグリチルリチン酸が3時間以内に放出されていることが分かった。 甘草から直接作製したゲルは強度が不十分であり、スパチュラで突く程度でも壊れてしまった。そこで甘草/双性イオン液体溶液に微結晶セルロース(Avicel)を1~2 wt%添加し、同様にゲルを作製した。その結果、ゲルの強度は大きく向上することが分かった。圧縮試験によりゲルの破断強度を測定したところ、微結晶セルロースの添加前は30 kPa以下であったのに対し、微結晶セルロースの添加後は6.7 MPaまで向上した。微結晶セルロースを添加したゲルについてもグリチルリチン酸の放出挙動を調べた。その結果、セルロースを添加していない場合とほぼ同じであり、放出挙動を変化させることなく、ゲル強度を向上させることに成功した。これらのことから、双性イオン液体を用いることで薬用植物から高強度な漢方ゲルを直接的に作製することができた。
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