2018 Fiscal Year Research-status Report
Shape-memory building for rapid construction of 3D artificial tissue
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18K14284
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中畑 雅樹 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40755641)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / 三次元組織構築 / ヒドロゲル / 分子間相互作用 / 形状記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、申請時の一年目の研究計画に記載した①「基盤材料となる形状記憶ゲルの開発」②「分子間相互作用による力学物性のチューニング」③「材料への分解性の付与とその評価」を目的として研究を進めた。①については、多糖誘導体と合成高分子を可逆的結合で繋いだ分子設計により、マイルドな化学刺激として糖を用いて形状記憶可能な材料の開発に成功した。また②については、開発した材料の架橋密度を外部刺激によって制御することで、生体組織と同程度の範囲でゲルの硬さを制御することに成功した。③については、可逆的結合を阻害する分子の溶液中で材料を処理することでマイルドに分解することに成功した。また開発した材料は、マイルドな刺激を用いて自在に形状変形を行えることも確認している。さらに、細胞培養用の培地中での安定性も確認でき、材料の共存下で培養した細胞は高い生存率を保つことも確認された。これにより、次年度より行う予定にしている三次元組織構築に向けた基板材料が整ったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記載のように、本年度の研究計画のうちコアになる部分は本年度の研究の中で達成することができた。次年度は、当初予定していたように、本材料を用いた三次元組織構築への応用を進めていく予定である。全体として、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の検討より、細胞の共存下で運用可能な形状記憶ヒドロゲルの開発に成功したため、次年度はこれを用いた三次元造形法の開発を実際に行っていく。ゲル表面に細胞接着・伸展・増殖性を付与し、細胞を培養しながら三次元構造を構築する。これが達成されれば、ゲルシートに3Dプリンターを用いて細胞をパターニングし、より複雑な造形へと進めていく。
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Causes of Carryover |
(理由)本研究課題の申請後、民間の助成金に4件採択されたため、研究遂行に必要な消耗品の一部は当該研究費以外の財源から支出することとなった。そのため本年度の使用額は予定していた額に至らなかった。 (使用計画)本年度で材料の開発を行ったため、次年度に材料の力学特性を精密に測定するための機器の導入を計画している。またこれに加え、成果発表のための経費、研究で必要になる消耗品の購入のために次年度予算を計画的に使用する予定である。
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