2018 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッドアナログを利用したアプリロニンAの作用機序解明
Project/Area Number |
18K14343
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ハイブリッドアナログ / タンパク質間相互作用 / アクチン / チューブリン / 三元複合体 / 抗腫瘍性 / アプリロニンA / スウィンホライドA |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋天然物アプリロニンAは二大細胞骨格タンパク質であるアクチンとチューブリンのタンパク質間相互作用を誘導し、生成したこれらの三元複合体が鍵となり、前例のない強力な抗腫瘍性を発現する。その詳細についての研究は、天然物自身が誘導化に限界があるため、アプリロニンAを基軸とする単純な構造のハイブリッドアナログを設計した。すなわち、アプリロニンAと同じ位置でアクチンと結合し、合成が容易な側鎖を持つ化合物としてスウィンホライドAに着目し、アプリロニンAのマクロラクトン部とスウィンホライドAの側鎖部をも つハイブリッドアナログを設計・合成した。さらに、それがアプリロニンAと同様にアクチン脱重合活性を示すとともに、チューブリンとの三元複合体の形成に対応する腫瘍細胞増殖阻害活性が確認できた。このハイブリッドアナログにより合成簡略化が達成できたため、アミノ酸部(トリメチルセリン基)について、ケミカルプローブへの展開を考慮し、いくつかのアミノ酸変換人工類縁体を設計・合成した。この部分は三元複合体形成に極めて重要な部分であるので、この部分での光親和性基によるラベル化で得られる情報は重要な知見となる。しかし、これらの生物活性を調べたところ、この部分の構造改変は生物活性に極めて敏感であることが判明した。アミノ酸部分については、さらに詳細な構造活性相関が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設計したハイブリッドアナログの合成法を確立し、その生物活性を測定したところ期待通りのアクチン脱重合活性及び三元複合体形成を確認できたため
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Strategy for Future Research Activity |
合成したハイブリッドアナログを利用し、ケミカルプローブへと変換しアプリロニンAの作用機序を解明する
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Research Products
(9 results)