2019 Fiscal Year Annual Research Report
組織破壊に依存しない植物グルコシノレートの新たな分解機構とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
18K14348
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉山 龍介 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員 (10779664)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 二次代謝 / グルコシノレート / メタボロミクス / 同位体ラベル / ストレス応答 / 統合オミクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然界の生物が限られた栄養条件下で生命活動を維持する戦略の中に,「1つの化合物群を巧みに制御することでさまざまな機能を持たせる」という方法がある。主にアブラナ科によって生産される含硫黄二次代謝産物のグルコシノレートはその好例であり,外敵に対する化学的防御物質であると同時に,植物自身の生命活動を制御するシグナルとしてもはたらくと考えられている。本研究ではシグナル分子としてのグルコシノレートの機能解明を目指し,生理活性を発揮する起点である分解プロセスを解析する。同位体ラベルなどの合成化学的手法と,各種質量分析装置を駆使したメタボローム解析を組み合わせることで,分解産物のプロファイリングを高感度で実現し,組織破壊を伴わない細胞レベルのグルコシノレート分解現象を明らかにする。 中断に至るまでの本年度の研究では、前年度に引き続き植物体内でのグルコシノレート分解経路解明に向け、遺伝子変異体を用いた表現型解析と同位体ラベル化グルコシノレートの合成を行った。その結果、同経路との関連を強く示唆するタンパク質を新たに複数同定した。また、グルコシノレート分解酵素に関する総説を執筆し、Frontiers in Plant Sciecneに発表した。これらの研究成果は、植物二次代謝における「カタボリズム」経路の存在を明らかにし、これまで生合成に多くの目が向けられてきた同研究領域へ新たな視野を生み出すきっかけになると期待される。
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Research Products
(3 results)