2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of mechanisms of circular RNA translation in eukaryotic systems
Project/Area Number |
18K14357
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 奈保子 名古屋大学, 理学研究科, 特任助教 (70772119)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNA / 環状構造 / 翻訳反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNAにホスホロチオエート(PS)修飾を導入することで環状RNAの翻訳効率を増加させられないかと考えた。まず最初に、PS修飾を導入した直鎖状RNAを作成し、直鎖状RNAの翻訳反応に正の効果を持つかどうかを検証した。PS-mRNAは、鋳型DNAおよびT7 RNAポリメラーゼを用いた試験管内転写反応に、市販のNTP-alpha-S ヌクレオチドを添加することで、立体選択的にチオエート基を導入する方法にて作成した。大腸菌無細胞翻訳系を用いてこれらPS修飾mRNAの翻訳活性を評価した結果、PS修飾は(1) オープンリーディングフレーム(ORF)に導入すると翻訳反応を阻害すること、(2) 5' 非翻訳領域 (UTR)に導入すると翻訳反応の開始反応を促進すること、が明らかになった。本知見から、直鎖状mRNAの5'UTRのみにPS修飾を導入したRNAを、2本のRNA鎖をリガーゼで連結することで作成し、その翻訳活性を未修飾のものと比較した結果、部分的PS修飾mRNAは未修飾mRNAに比較し約22倍の翻訳反応産物を与えた。本結果から、RNAの翻訳活性向上のために、位置特異的な化学修飾導入が有効な手法であることが分かった。現在、この知見を活かし、より翻訳活性の高い環状RNAの開発を行っている。加えて、環状RNAの化学的連結法による合成法を検討し、生ずる非天然連結部位を含むRNAが翻訳されうることを明らかにした。一般にリガーゼ酵素を用いて直鎖状RNAの両端を連結し環状RNAを作成する。より実用的な合成法として、末端にリン酸基とアミノ基を有するRNA断片から、P-N結合を介した化学的連結反応による環状RNAの化学合成を試みた。その結果、P-N結合を有する環状RNAにおいてもローリングサークル型翻訳反応が進行することが確認された。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Intracellular delivery of Antisense DNA and siRNA with amino groups masked with disulfide units2020
Author(s)
Zhaoma Shu, Azumi Ota, Yukiya Takayama, Yuri Katsurada, Kosuke Kusamori, Naoko Abe, Kosuke Nakamoto, Fumiaki Tomoike, Seiichi Tada, Yoshihiro Ito, Makiya Nishikawa, Yasuaki Kimura and Hiroshi Abe
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Journal Title
Chemical and Pharmaceutical Bulletins
Volume: 68
Pages: 129-132
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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