2018 Fiscal Year Research-status Report
A rational method for selecting allosteric modulators using fluorescent biosensors
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18K14362
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
山浦 圭 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 博士研究員(任常) (10805675)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ケミカルバイオロジー / 化学系薬学 / 創薬化学 / 薬理学 / 神経伝達物質受容体 / アロステリック作動薬 / 蛍光バイオセンサー / 薬剤スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
アロステリック薬は既存の薬剤と比較して標的特異性が高く、生体内局所においてのみ作用を示す。そのため副作用が少なく、新薬開発において強く望まれている。しかしながら、創薬ターゲットとして重要な神経伝達物質受容体に作用するアロステリック薬の探索が困難なため、その薬剤開発は停滞している。本研究課題では、神経伝達物質受容体の蛍光バイオセンサーを駆使することで、これまで不可能であったアロステリック薬の合理的な探索手法を開発する。本年度は、GABAA受容体に対して提案した方法論の確立及び薬剤スクリーニングへの展開を行った。GABAA受容体に対する方法論の確立に関して、研究代表者らが過去に開発したGABAA受容体のGABA(アゴニスト)結合部位のturn-on型の蛍光バイオセンサーと低濃度のGABA(アゴニスト)を組み合わせることで開発できると考えた。具体的には、低濃度のGABAのみでは蛍光バイオセンサーの蛍光回復を引き起こさないが、正のアロステリック薬を添加することで、初めて蛍光回復が引き起こされ、正のアロステリック薬を間接的に検出するという戦略である。実際、低濃度のGABAとして0.5 mM GABAを用い、GABAA受容体に作用する正のアロステリック作動薬であるエトミデートを用いることによって上述の方法を確立することに成功した。また、エトミデートのみならず、他の正のアロステリック作動薬を用いた場合でも蛍光回復が見られ、様々な正のアロステリック作動薬が検出できることが明らかとなった。さらに、この方法論を市販品の化合物ライブラリーを用いて薬剤スクリーニングを行った。その結果、複数ヒット化合物が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画において、本年度は提案した方法論の確立を行い、それを薬剤スクリーニングに展開することを目標としていた。本年度は提案した方法論の確立に成功し、正のアロステリック作動薬を選択的・網羅的に検出できた。また、薬剤スクリーニングに適用することで、正のアロステリック作動薬として機能し得る複数のヒット化合物が得られた。従って、当初の計画通りに研究が遂行できていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は他の神経伝達物質受容体にこの確立した方法論を適応すると共に、得られたヒット化合物について複数の評価法を用いて正のアロステリック作動薬であるか検証していく予定である。
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