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2018 Fiscal Year Research-status Report

腸内細菌が有する酵素特異的な専用シャペロンによるフォールディングメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 18K14388
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山田 千早  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30747944)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsシャペロン / フォールディング / ビフィズス菌 / 細胞外
Outline of Annual Research Achievements

近年、ビフィズス菌の菌体外に存在すると推測され、母乳オリゴ糖分解酵素(LnbX)に対して特異的に作用するシャペロン(LnbY)が発見されたが、相同配列が他のシャペロンに限らず見つからないため機能を推測することができていない。そこで本研究課題では、LnbXの下流に存在し菌体外で働くと推測される専用シャペロンLnbYによるフォールディング作用機構を明らかにすることを目的とする。研究計画の進め方として、以下の3つのサブテーマを設定し研究を遂行する。
1)LnbYの局在を調べる:ビフィズス菌の菌体外に存在しているか確認
2)LnbYの構造解析およびシャペロン不要なLnbX構造への改変
3)類似シャペロンの探索および基質特異性の解析
本年度までに以下のような成果が得られた。
LnbYのN末端に付加されていたHis-tagを切断するためにTEVプロテアーゼ認識配列を挿入した。項目1に関連して、His-tagを切断したLnbYを抗原とし、局在を調べるために必要なLnbYの抗体を発注するための準備が完了した。項目2については、以前His-tagがN末端に付加されたLnbYの結晶化を試みてきたが結晶が得られていなかったため、His-tagを切断したLnbYの結晶化を今回試みたが、結晶が得られなかった。また、不活性型LnbXとの共結晶を試みたが、結晶を得ることができなかった。LnbYが不活性型LnbXに対して作用するため結合すると予測されるが、活性型LnbXにも結合するかどうかプルダウンアッセイを行なったが洗浄が不十分であったため正確な結果が得られなかった。次年度にプルダウンアッセイの条件を検討し再度行う予定である。項目3に関して、LnbXのホモログが3つ見つかっており、それらもフォールディングの際にシャペロンを必要とするが、それらのシャペロンとの特異性を調べた。LnbYは一部のホモログに対して作用しないことがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1)LnbYの局在を調べる:ビフィズス菌の菌体外に存在しているか確認
His-tagを切断したLnbYを得たが、LnbYの抗体発注が遅れた。
2)LnbYの構造解析およびシャペロン不要なLnbX構造への改変
タンパク濃度の検討および様々な条件下でLnbYの結晶化を試みたが、結晶を得ることができなかったため。
3)類似シャペロンの探索および基質特異性の解析
大腸菌にそれそれのシャペロンとLnbXまたはそのホモログを組み合わせて発現し活性を調べLnbXホモログに対して作用する一部のシャペロンの特異性について調べた。

Strategy for Future Research Activity

1)LnbYの局在を調べる:ビフィズス菌の菌体外に存在しているか確認
LnbYの抗体を用いてウエスタンブロッティングを行う。ビフィズス菌の細胞を短時間プロテアーゼ処理することで分解された場合、菌体表面に局在していることが示される。また、免疫染色法により菌体表面に局在するLnbYを顕微鏡観察する。
2)LnbYの構造解析およびシャペロン不要なLnbX構造への改変
結晶化の条件検討を引き続き行うと同時に、LnbYのN末、C末を削ったコンストラクトを作製し、フォールディング活性を有するコンストラクトについて発現・精製・結晶化を行う。結晶が得られなかった場合には、SAXS(X線小角散乱)を行い溶液中のLnbYの構造および変性LnbXと結合したLnbX-Y複合体の状態もSAXSを行い観察する。同様に、項目3で明らかにしたLnbY以外のシャペロンについても構造解析を行う。
3)類似シャペロンの探索および基質特異性の解析
無細胞in vitroタンパク質発現系を用いて、LnbYを含むそれぞれのシャペロンの特異性を明らかにする。

Causes of Carryover

LnbYの結晶化条件検討に想定以上時間がかかってしまったため、当該年度に発注する予定だったLnbYの抗体およびペプチド合成に計上していた費用を使用していないため次年度使用額が生じた。次年度は、LnbYの抗体およびペプチド合成を行いLnbYの局在およびLnbYが作用するLnbXの部分を明らかにする。

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Published: 2019-12-27  

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