2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of protein sequence data mining method to design total sequence of artificial amino acid metabolism enzymes
Project/Area Number |
18K14391
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中野 祥吾 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80748541)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 祖先型設計 / アミノ酸酸化酵素 / L-アミノ酸 / タンパク質工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度は、L-アルギニンに対して高い特異性を有するL-アルギニン酸化酵素 (AROD) の祖先型設計とその機能解析を行うことで、新規に作成した配列データベース分類法の評価を行った。まずは祖先型AROD (AncAROD) の設計に関して、以下の手順で実施した。既知のARODであるPseudomonas sp. TPU 7192由来AROD (PtAROD) の配列をBlastpで解析し、計751配列の類似配列を得た。開発した分類法を用いてPtAROD及びその類似配列を解析し、分類に重要なアミノ酸残基を4つ同定した (G15, S50, W332, T580)。これら4残基を有する配列を、Blastp解析で取得した類似配列中から選抜し、計10配列を得た。この10配列をMAFFT, MEGA, 及びFastMLを用いて解析し、3つのAncAROD配列を設計した (AncARODn0, AncARODn1 and AncARODn2)。系統解析の結果、自然界由来ARODに対してAncARODn0は進化的に最も離れており、AncARODn2は最も近いことが判明した。 次にこれら3つのAncARODを大腸菌発現系にて大量発現・精製し、酵素機能解析を実施した。結果、AncARODn0は最も耐熱性が高く、ある自然界由来ARODと比べてT1/2値が20℃以上上昇していた。その他のAncARODについても5から10℃程度、T1/2値は改善していた。また各種L-アミノ酸に対する反応性を評価したところ、AncARODn0のみL-Arg以外にもL-His, L-Phe, L-Leuなどにも反応性を有するなど、広い基質選択性を有していた。以上の結果から、ARODは基質選択性の広いL-アミノ酸酸化酵素から分子進化して、L-Argに対する高い基質特異性を獲得したと予測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りAncARODの設計と機能解析を通して、新規配列データマイニング法の開発とその機能評価を実施できた。設計したAncARODは自然界由来ARODと比べて、耐熱性、酵素学的パラメータ (kcatおよびKm), 及び可溶性が向上するなど、産業応用に適した酵素機能改変を達成することができた。 本研究についてはアメリカ微生物学会の専門誌、Applied and Environmental Microbiology誌に受理済である。成果発表を含めその進捗状況は順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度は、AncARODの耐熱性の向上及び基質選択性の変化が、どのようなメカニズムで生じたか解明するため、設計したARODの立体構造解析を実施する。X線結晶構造解析と部位特異的変異体の作製と酵素機能評価を通して、分子機構の解明をめざす。 またH30年度の研究遂行の過程で、AncARODn0より更に基質選択性の高いL-アミノ酸酸化酵素 (LAAO) の設計に成功した。H31年度はLAAOの機能解析と有用物質生産に向けた応用研究への展開についても検討する計画である。
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Research Products
(12 results)