2019 Fiscal Year Annual Research Report
Detection of protein-protein interactions in vivo
Project/Area Number |
18K14393
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 進也 京都産業大学, 総合生命科学部, 研究助教 (00794439)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タンパク質間相互作用 / コラーゲン / 線維化疾患 / PPI阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
コラーゲン特異的分子シャペロンHsp47は小胞体でプロコラーゲンの3重らせん構造に結合することで、コラーゲンの生合成に必須の役割を担っている。そのため、コラーゲンの異常蓄積を特徴とする線維化疾患において、Hsp47とコラーゲンの相互作用を阻害し、正常なプロコラーゲンの分泌を阻害することは有効な戦略の一つとされる。本研究では、線維化疾患治療に向け、タンパク質間相互作用評価法を開発することを目的とした。 これまで、生きた細胞内でHsp47-コラーゲン間相互作用を捕らえることは困難であったため、Hsp47阻害候補化合物が細胞内で相互作用を阻害しているか評価できなかった。今回、(Gly-Xaa-Yaa)の9回繰り返しからなるコラーゲンドメインを3量体を形成するfoldonに付加し、3重らせんコラーゲンペプチドとHsp47との間でBioluminescence resonance energy transfer (BRET)を生じさせることで、生細胞内でHsp47とコラーゲンとの相互作用を検出する系を確立した。コラーゲンに結合しないHsp47変異体を用いた条件検討を行ったのち、このBRETの系を用いて、(1)我々が同定していたHsp47阻害低分子化合物が小胞体内でコラーゲンとHsp47の相互作用を阻害すること、(2)これまでHsp47はコラーゲン3重らせん構造上のアルギニンを認識していると考えられてきたが、アルギニンがない位置のコラーゲン3重らせん構造にも弱いながら結合していること、(3)Hsp47はSerpinファミリーに属し、特徴的なループ領域を持つが、そのSerpinループもコラーゲンとの相互作用に寄与していること、が分かった。これらのことは、分子シャペロンHsp47とコラーゲンの相互作用について新たな知見を与えるとともに、この系の阻害剤探索への有用性を示した。
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