2021 Fiscal Year Annual Research Report
Functional and structural analysis of heat-resistant dye-dependent D-lactate dehydrogenase and its application to biosensor devices
Project/Area Number |
18K14394
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 順司 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 講師 (20802101)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酵素工学 / 酵素 / 超好熱菌 / 構造生物学 / FAD / 補酵素特異性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、立体構造情報を基にバイオセンサー素子として最適な色素依存性D-乳酸脱水素酵素(Dye-DLDH)を開発することである。本研究はD-乳酸の新規測定法開発において重要な役割を果たすと考えられる。前年度までにバイオセンサーの作製および当該センサーを用いて食品試料中のD-乳酸の検出に成功している。2021年度は酵素機能の改良を目指し、本酵素の構造情報を得るためのX線結晶構造解析および変異導入箇所の情報取得を目指して研究を展開した。Aeropyrum pernix由来のDye-DLDH(ApeDLDH)のFAD非結合型の構造情報の取得に成功した。本酵素は、Penicillium simplicissimum 由来Vanillyl-alcohol oxidaseのFAD 結合型(pdb: 1e8g)および非結合型(pdb: 1e8f)と立体構造的に高い類似性を示すことが判明した。構造比較により、既知酵素のloop100-117に相当するApeDLDHのloop67-84は、既知酵素のFAD結合部位から大きく外側に離れた場所に位置していた。既知酵素のこのループ構造は、FADの結合の有無に関わらずFADのピロリン酸近傍に位置している。このことからApeDLDH はFAD のピロリン酸との相互作用に関与する構造が既知酵素と比較して非常に柔軟性が高く、それがFAD の結合ポケットの形成に影響し、FAD の結合性が極端に弱くなることが予想された。また、本酵素の触媒残基と推定されるアミノ酸残基H380、H387、H425を見出した。これらアミノ酸残基をアスパラギンへ変異させた変異酵素(H380N、H387N、H425N)は活性を消失したことから、本酵素反応において三種のヒスチジンが酵素活性に重要な役割を持つことが判明した。
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Research Products
(3 results)