2019 Fiscal Year Research-status Report
Clarifying the biological role of vitaminC metabolites
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18K14419
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮澤 大樹 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 日本学術振興会特別研究員 (80814243)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ビタミンC / アスコルビン酸 / デヒドロアスコルビン酸 / グルコーストランスポーター / がん細胞 / HPLC / 抗酸化物質 / 酸化還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究の課題の1つである「ビタミンCの細胞内の代謝や細胞取り込みにおける、細胞外の物質の影響」に特に焦点を当てて、定量的な検討を行った。グルコーストランスポーターの発現量の異なる細胞を用い、デヒドロアスコルビン酸やアスコルビン酸を他の抗酸化成分や異なるグルコース濃度(デヒドロアスコルビン酸と同じくグルコーストランスポーターを介して細胞内に取り込まれる)での細胞死、デヒドロアスコルビン酸の細胞取り込み量、更に細胞内の還元されたアスコルビン酸の濃度の変化を確認した。結果、細胞へ取り込まれるDHAは、細胞外で他に共存している物質によって大きく影響されるが、グルコーストランスポーターの発現量が高いと上昇すること、さらに、デヒドロアスコルビン酸が細胞内で還元されて生成するアスコルビン酸の存在も細胞死と関連付けられることを、確認した。結果、デヒドロアスコルビン酸が引き起こす抗癌作用は、細胞内に取り込まれてから発揮されていることが見いだされた。今後、細胞内のグルタチオンや、活性酸素濃度との相関を明らかにしていくとともに、リポソームのような、細胞内のDHA濃度を上昇させる技術と組み合わせることで、ビタミンCを用いた新たな治療法を検討する。 一方で、本研究で確認しているのは、「細胞内外のアスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸の濃度」だけなので、来年度以降はこの2分子以外の様々な代謝物や分解物も定量・比較することだできる手法を開発するとともに、今年度発見した現象をより詳細に解明していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度で明らかにした、デヒドロアスコルビン酸の細胞への取り込みの現象について、今年度は様々な条件で検討を行い、来年度以降の検討を行っていくうえで重要となる発見をいくつか得ることができた。「研究実績の概要」で述べたように、来年度以降はアスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸だけでなく、その他の代謝物のことも考えながら検討を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
アスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸だけでなく、その他の代謝物についても定量できる方法を確立するとともに、引き続き細胞内・外でのアスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸の存在が、生理作用にどの様に影響していくのかを明らかにしていく。一方で、今年度に用いた細胞は数種類だけだったので、他の細胞も用いてより多くの現象を明らかにしていく。
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Research Products
(4 results)