2018 Fiscal Year Research-status Report
メタボローム解析を活用した白色・褐色様脂肪細胞の変換制御機構の解明
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18K14420
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 春弥 京都大学, 農学研究科, 助教 (30750369)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタボローム解析 / 白色脂肪細胞の褐色化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に、白色脂肪細胞を褐色様脂肪細胞へ変換させる薬剤処理を行った実験動物(マウス)における脂肪組織中及び血中代謝変動を把握するために、メタボローム解析を行った。 すなわち、白色脂肪細胞を褐色様脂肪細胞へ変換させる薬剤処理を行った実験動物マウスの脂肪組織中及び血中代謝物の抽出を有機溶媒により抽出し、抽出液中に含有される代謝物の超精密質量を液体クロマトグラフィー・質量分析器(LC-MS)にて測定し、当該成分の組成式を、メタボローム解析に特化した解析ソフトウェア等を活用することで、効率的に解析した。また、組成式が明らかにされた代謝物の中で、褐色化が顕著に進行することが知られている鼠径部白色脂肪組織において特に大きく変動する代謝物に着目し解析を行った。さらには、特定した代謝物が代謝経路上どこに位置するかを代謝物データベースであるKyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG)等を活用することで特定し、脂肪細胞の褐色化に深く関わる代謝経路に関する解析を行った。 メタボローム解析の結果、白色脂肪細胞を褐色様脂肪細胞へ変換させる薬剤処理を行うことにより、多様な低分子代謝物が変動することが明らかとなった。また、さらに解析を進めることで、鼠径部白色脂肪組織において特に大きく変動する代謝物を複数特定するに至った。さらに、これらの代謝物の内、数種類については、代謝経路上における存在位置を推定するに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一年目の目標として、白色脂肪細胞を褐色様脂肪細胞へ変換させる薬剤処理を行った実験動物(マウス)における脂肪組織中及び血中代謝変動をメタボローム解析により明らかにすることを掲げており、当該目標をほぼ達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目の研究において特定された白色脂肪細胞から褐色様脂肪細胞への変換に寄与する候補代謝物が、実際に白色脂肪細胞から褐色様脂肪細胞への変換制御に関与するか否かを明らかにし、関与する代謝物についてはそのメカニズムを検討する。
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Causes of Carryover |
当初予定と比較しおおむね順調に研究が実施できた一方、実験の一部を翌年度に実施する内容も生じたため。
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[Presentation] メタボローム解析を用いた活性ベース代謝物プロファイリング法の構築及びトマトに含まれるアディポネクチン様活性化合物の探索2019
Author(s)
毛利 晋輔, 高橋 春弥, 坂井 麻衣子, 高橋 慎吾, 脇 尚子, 相澤 宏一, 菅沼 大行,荒 武, 松村 康生, 柴田 大輔, 後藤 剛, 河田 照雄
Organizer
日本農芸化学会 東京大会
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[Presentation] LC-MSを用いたトマトに含まれる抗炎症化合物全体像の把握および同定化合物における作用機序の解明2018
Author(s)
毛利 晋輔, 高橋 春弥, 坂井 麻衣子, 高橋 慎吾, 脇 尚子, 相澤 宏一, 菅沼 大行,荒 武, 松村 康生, 柴田 大輔, 後藤 剛, 河田 照雄
Organizer
第57回 日本栄養・食糧学会 近畿支部大会