• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

ベニコウジエキスの安全性評価:標準化および医薬品との相互作用を中心に検討

Research Project

Project/Area Number 18K14425
Research InstitutionShowa Women's University

Principal Investigator

横谷 馨倫  昭和女子大学, 生活科学部, 助教 (20732150)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsベニコウジエキス / ロバスタチン / シトクロムP450
Outline of Annual Research Achievements

ベニコウジはin vitroの実験において、シトクロムP450(CYP)1A2、2C9、3A4阻害作用が、ラットのin vivo実験において、カルシウム拮抗薬であるベラパミルの代謝抑制作用が報告されていることから(Sci Rep. 2012)、それらを介した医薬品との相互作用の可能性も考えられる。昨年度の研究において、0.5%(w/w)ベニコウジエキス投与群では、対照群よりもCYP1A1活性が有意に低下したが、ベニコウジエキス中の薬理作用を示すロバスタチン投与群では、有意な変化は認められなかった。当該検討より、ベニコウジエキス中のロバスタチン以外の成分が、マウス肝CYP1A1活性の低下に関与するものと示唆された。そこで、本年度は、当該エキスの投与濃度を踏まえたより詳細な検討を実施した。
4週齢のICR系雄性マウスを1週間の予備飼育の後、群分けし、AIN93組成を基本とした0.3%または1%(w/w)ベニコウジエキス添加飼料を、2週間混餌投与した。マウスはペントバルビタール麻酔下で開腹し、直ちに肝臓を摘出、重量を測定し、既報に従い処置した(Jpn J Pharmacol. 2002)。酵素活性は既存のキットであるP450-Glo Assays Systems(Promega株式会社)を使用し、高感度測定が可能な発光法によりルミノメーターを用いて測定した。
マウスの体重や肝臓重量、体重に占める肝臓重量、摂餌量は、対照群と各濃度のエキス添加飼料群で差異はなかった。肝CYP1A1活性、1A2活性、2C9活性、CYP3A4活性ともにベニコウジエキス投与濃度依存的変化は認められなかった。以上の結果より、ベニコウジエキス投与による肝CYPへの影響は軽微であるものと示唆された。しかし、ヒトとマウスでは種差があることから、次年度は当該種差を考慮したin vitroの検討を実施する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

マウスを用いたin vivo実験は順調に進展している。健康食品中の対象成分の分析は、再度、固相抽出法等を用いた前処理方法の検討を行う必要があるが、未だ実施できていない。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究は、以下のとおり実施する。
1. ヒト肝マイクロソームを使用したin vitro実験
マウスのin vivo実験結果より、ベニコウジエキス中の薬理作用を示すロバスタチンでは、マウス肝CYP活性に対する変化は認められず、ベニコウジエキスでも投与濃度に依存した変化は認められなかった。以上より、当初の研究計画で実施予定であった、当該エキス投与期間依存的変化の検討や、CYPを介した医薬品との相互作用の検討を継続する学術的意味はないと判断した。安全性評価では評価対象として動物を使用するため、ヒトと動物の間で種差が存在する。当該エキスの検討においてはマウスを使用しており、マウスのin vivo実験では当該エキスによるCYP活性への影響は軽微であったが、ヒトではCYP活性に対する影響が認められる可能性もある。そこで、試薬として販売されているヒト肝マイクロソームを使用し、当該エキスの肝CYPに対する影響を検討する。

2. ベニコウジエキスを利用した健康食品の製品分析
ベニコウジエキスを利用した健康食品製品は、多種類の成分が混在しているため、既報に従い設定した条件では分析対象成分と夾雑物のピークが重なり、正確な分析ができなかった。そのため、いかに試料中から分析対象成分以外の成分を除去できるかが重要となり、試料の前処理方法から再検討を行う必要がある。前処理方法としては、試料に含まれる夾雑物をより除去しやすい固相抽出法を予定している。

Causes of Carryover

実験結果を踏まえ、当初予定していたin vivo実験を中止したため、次年度使用額が生じた。次年度は製品分析の前処理方法として、固相抽出法を検討予定であり、その検討に必要な固相抽出用カートリッジ数種や固相抽出用吸引マニホールド、分析に必要なカラムの購入を予定している。その他、in vitro実験に必要な薬物代謝酵素活性測定用試薬や肝マイクロソーム試薬、ピペットチップ、マイクロチューブ、マイクロプレート等の実験消耗品を購入予定である。

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi