2018 Fiscal Year Research-status Report
加工食品への利用に向けた二価金属イオン沈殿特性の違いによる雑豆タンパク質の分類
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18K14429
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
西澤 果穂 武庫川女子大学, 生活環境学部, 嘱託助手 (30779252)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オタフクマメ / ソラマメ / ナタマメ / ヒヨコマメ |
Outline of Annual Research Achievements |
赤ナタマメおよび白ナタマメについて、タンパク質抽出方法の検討を行った。豆を蒸留水に浸漬したところ、白ナタマメは吸水したが、赤ナタマメはほとんど吸水しないことがわかった。そこで、乾燥豆に穴を開けたものを浸漬後に破砕した。一方で、各乾燥豆をあらかじめ粉砕したものに蒸留水を加えて比較した。各処理で調製した抽出液のタンパク質濃度を測定したところ、白ナタマメの乾燥豆を浸漬後に破砕して調製した抽出液が最も高値を示した。乾燥豆に穴を開けて浸漬、破砕した抽出液が、乾燥豆を粉砕後に加水した抽出液に比べ、低値を示した。処理方法の違いによってタンパク質濃度が異なることが示された。さらに、ナタマメ主要タンパク質であるカナバリンの溶解性は塩化マグネシウムによって変化し、豆の処理方法の違いによって異なる挙動が見られた。 ヒヨコマメ、ソラマメ、およびオタフクマメについても同様に抽出液の調製方法を検討した。オタフクマメは研究計画の試料として含まれていないが、ソラマメとの違いが豆の大きさであるとされているため、同時に比較検討した。ソラマメおよびオタフクマメは浸漬時間の増加に伴い、重量は増加したが、個体差が大きく、不安定であった。ヒヨコマメは浸漬時間の増加に伴って緩やかに吸水し、13時間以降、ほぼ一定になった。ヒヨコマメからタンパク質を豊富に含む抽出液を調製し、抽出液に塩化マグネシウムを添加すると、上清タンパク質は有意に減少したが、約50%が残存した。また75℃以上の加熱で一部のタンパク質が沈殿することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では当該年度にナタマメ、タチナタマメ、ソラマメおよびエンドウの4種について解析する予定であったが、ナタマメ(白ナタマメ、赤ナタマメ)、ヒヨコマメ、ソラマメおよびエンドウの5種類について解析を行った。ヒヨコマメは研究計画中の試料として含まれていないが、現在、ヒヨコマメが食品として流行していることもあり、先に解析した。また、オタフクマメについても当該年度の対象ではないが、ソラマメとの違いが豆の大きさであるとされているため、同時に比較検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画に挙げている雑豆について、加工方法を検討し、タンパク質抽出方法を確立する。また塩添加および加熱がタンパク質に与える影響について解析を行う。豆の種類によっては吸水しない場合もある。その場合は豆に穴を開ける、または豆をあらかじめ粉砕するなどの処理を行った上で検討を進める。
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