2020 Fiscal Year Research-status Report
加工食品への利用に向けた二価金属イオン沈殿特性の違いによる雑豆タンパク質の分類
Project/Area Number |
18K14429
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
西澤 果穂 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 嘱託助手 (30779252)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 雑豆 / 植物性タンパク質 / ササゲ / アズキ / 大納言 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、ササゲ属ササゲ、アズキ、大納言におけるタンパク質の特性について検討した。これまでは、乾燥豆を蒸留水に浸漬し、浸漬後の豆を破砕することでタンパク質の抽出を行っていた(以下、浸漬法とする)。今年度、ササゲ、アズキ、大納言の各乾燥豆をあらかじめ粉砕し、粉砕した豆に蒸留水を加え、攪拌することで吸水させ、得られた抽出液を抽出タンパク質とした(以下、粉砕法とする)。調製方法の違いが抽出タンパク質の特性に与える影響を検討した。粉砕法による各豆の抽出タンパク質について、Bradford法を用いてタンパク質濃度を測定した。抽出液のタンパク質濃度について、ササゲおよびアズキは浸漬法により調製した抽出液と比較して、粉砕法により調製した抽出液の方が低い傾向が示された。また大納言については、浸漬法により調製した抽出液と比較して、粉砕法により調製した抽出液の方がタンパク質濃度が有意に低値を示した。またアズキでは、粉砕法により調製した抽出液を遠心分離することで、大幅にタンパク質濃度が低下した。また、ササゲ、アズキ、大納言の抽出タンパク質における塩化マグネシウム感受性を調べた。浸漬法および粉砕法により調製した抽出液に塩化マグネシウムを最終濃度が5~50 mMになるように添加し、上清をSDS-PAGEに供した。ササゲおよびアズキのタンパク質バンドは塩化マグネシウムを添加することで減少した。大納言のタンパク質バンドは塩化マグネシウム濃度5 mM以上で減少した後、30 mM以上で再び増加した。抽出方法による違いは観られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調理によく用いられるササゲ属ササゲ、アズキ、大納言の加工特性について詳細に調べるために、これまでの乾燥豆を水に浸漬してからタンパク質を抽出する方法(浸漬法)に加え、乾燥豆をあらかじめ粉砕してから水を加えてタンパク質を抽出する方法(粉砕法) を実施した。新たな豆の解析まで実施できなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画に挙げている雑豆について、加工方法を検討し、タンパク質抽出方法を確立する。タンパク質の抽出には、浸漬法または粉砕法からその豆に応じた方法を選択する。また塩添加および加熱がタンパク質に与える影響について解析を行う。
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Causes of Carryover |
これまでにも解析していた、ササゲ属ササゲ、アズキ、大納言の加工特性について詳細に調べるために、従来の加工法(浸漬法)に加え、乾燥豆をあらかじめ粉砕してから水を加えてタンパク質を抽出する方法(粉砕法) を実施した。新たな豆の解析を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。
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