2021 Fiscal Year Research-status Report
加工食品への利用に向けた二価金属イオン沈殿特性の違いによる雑豆タンパク質の分類
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18K14429
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
西澤 果穂 龍谷大学, 農学部, 講師 (30779252)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 雑豆 / インゲンマメ / エンドウマメ / レンズマメ / リョクトウ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、白インゲンマメ、赤エンドウマメ、レンズマメ、リョクトウについて、浸漬操作による吸水の特徴を調べた。白インゲンマメは浸漬1時間で吸水し始め、緩やかに吸水し、浸漬7時間でほとんど変化が観られなくなった。赤エンドウマメは浸漬1時間で吸水し始め、緩やかに吸水し、浸漬10時間でほとんど変化が観られなくなった。レンズマメは浸漬1時間で急激に吸水し、その後は緩やかに吸水し、浸漬8時間で変化が観られなくなった。リョクトウは浸漬4時間まで吸水せず、浸漬5時間で吸水し始め、浸漬17時間で変化が観られなくなった。豆の種類により、吸水に要する時間が大きく異なることが明らかになった。 白インゲンマメを用いて、さまざまな加工手順で抽出液を調製した。乾燥豆を蒸留水に浸漬し、浸漬した豆に蒸留水を加えて、ハンドブレンダーを用いて破砕した。破砕液を100℃で3分間加熱後、さらしで搾出した抽出液(抽出液A)、破砕液をさらしで搾出した抽出液(抽出液B)、抽出液Bを加熱後に再度さらしで搾出した抽出液(抽出液C)を調製した。抽出液A、BおよびCについて、Bradford法によりタンパク質濃度を測定した。インゲンマメから調製した抽出液A、B、Cにおけるタンパク質濃度は、抽出液AおよびCと比較して、抽出液Bが最も高値を示した。インゲンマメから調製した抽出液中のタンパク質は、加熱操作により熱変性し、沈澱することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
豆の種類、また豆の個体差により吸水の度合いが大きく異なり、精度の高いデータを得られるよう繰り返し実験を行った。そのため当初の予定より時間がかかってしまった。以上の理由から、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は白インゲンマメのみ加工を実施し、抽出液を調製した。今後、他の3種類(赤エンドウマメ、レンズマメ、リョクトウ)においても同様に様々な加工手順で抽出液を調製する。抽出液のタンパク質濃度およびBrix値を測定し、加工特性の解析に活かす予定である。また調製した抽出液に様々な塩を添加し、タンパク質の挙動を観察する。
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Causes of Carryover |
今年度実施した実験に大幅な時間を要したことにより、研究に遅れが生じ、予定していた物品購入費を下回った。今年度購入予定であった物品を次年度に購入し、実験を継続する。
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Research Products
(1 results)