2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K14430
|
Research Institution | Industrial Research Institute of Ishikawa |
Principal Investigator |
笹木 哲也 石川県工業試験場, 化学食品部, 専門研究員 (00504846)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ほうじ茶 / 香気成分 / メラノイジン |
Outline of Annual Research Achievements |
ほうじ茶は豊かな香りを持つ日本を代表するお茶であるが、研究報告は極めて少なく、その機能性はほとんど解明されていない。本研究は、ほうじ茶の焙煎時に生じるメイラード反応に着目し、その反応生成物である香気成分とメラノイジンの機能性を解明することで、ほうじ茶の新たな価値創造と新規食品素材や医薬品への活用の技術基盤確立を目指す。 本年度は、ほうじ茶に含まれるピラジン類等の香気成分についてリラックス効果を評価すると共に、抗酸化性等の機能性が期待されるメラノイジンについてほうじ茶からの抽出条件の確立を試みた。香気成分のリラックス効果については、リラックス効果に関与するGABAA受容体をアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させた後、ほうじ茶の主要な香気成分を潅流させた。その結果、一部のピラジン類で高い活性を示し、これらピラジン類はリラックス効果を有している可能性が示唆された。メラノイジンの分離については、メラノイジンを含む高分子成分をほうじ茶から抽出するため、限外濾過による抽出条件を検討した。加圧型の攪拌式限濾過装置を用いて、複数の限外濾過膜により抽出を試みた結果、公称分画分子量5 kDa以上のセルロース系限外濾過膜により、メラノイジンを含む高分子成分を回収できた。また、焙煎度の異なるほうじ茶を作成し、高分子成分の抽出を行った結果、焙煎の深いほうじ茶ほど高分子成分の含有量は増加する傾向を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、香気成分のGABAA受容体への効果を評価し、メラノイジンの分離条件を確立した。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は、動物試験による香気成分の機能性評価、およびメラノイジンの構造、機能性評価に着手する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により国際学会参加が延期となったため、次年度使用額が生じました。引き続き、学会参加による研究発表での予算使用を再計画します。また、新型コロナウィルスの影響が続くようでしたら、学術論文等での研究発表に方針を切り替え、研究成果の精査、および投稿費用への予算使用を計画します。
|